【看護倫理・事例】第3回 医師にひどい言葉をぶつけられたケース
- 公開日: 2014/7/1
日々の看護のなかに意外に多く潜んでいる倫理的問題。それらの解決のためには、まず、倫理的な違和感に気づくセンスが必要です。今回は、医療者間に潜んでいる力関係に関するケースをもとに、センスを磨く練習をしていきましょう。
▼看護師のコミュニケーションとマナーについて、まとめて読むならコチラ
看護師のコミュニケーションとマナー
今回のケース
医師からひどい言葉をぶつけられた
【登場人物】
1. 助産師 森田さん(仮名)24歳 臨床経験2年目
2. 医師 鈴木さん(仮名)28歳 臨床経験3年目
3. 産婦 山本洋子さん(仮名)24歳 初産婦
【事例紹介】
山本洋子さんは初産婦です。自然分娩を希望し、妊娠初期から助産外来に通い、指導を受けてきました。分娩時には会陰切開を希望しています。出産が近づいたため、本日、分娩入院となりました。
夜になり、山本さんの陣痛の間隔が狭くなったため、担当の森田助産師が内診を行い、お産の進行を確認して分娩室へ移動になりました。森田助産師は、分娩室でヒーリング音楽を流したり、リラックスしてもらうための安楽な体位を提案したり、間接照明に切り替えるなど、お産の環境を整えていきました。
そんななか、当直医の鈴木医師が分娩室に入ってきました。鈴木医師は、山本さんへの挨拶や声かけもなく、黙ってカルテをめくっています。そこで森田助産師は、山本さんが会陰切開を希望していることを伝えましたが、鈴木医師からの返事はありません。