「血糖」の働きとコントロールの必要性
- 公開日: 2014/8/20
身体を危険から守る働きをする「血糖」
「血糖」とは、血液中のブドウ糖のことです。私たちは、主要なエネルギー源として、食事により炭水化物を体内に取り込みます。炭水化物はブドウ糖が何千個とつながったもので、身体に入ると消化器官の酵素で分解され、単糖類であるブドウ糖となって小腸から吸収されます。
そして、ブドウ糖は肝臓に送られ、一部は多糖類であるグリコーゲンとして肝臓に貯蔵され、残りの大部分は血液によって全身の細胞に供給されます。これが血糖です。
ブドウ糖を必要とする臓器は、おもに脳細胞や筋肉細胞、神経細胞などがありますが、中でも脳細胞はブドウ糖が唯一の栄養源です。ブドウ糖がなければ働くことができず、その必要量は1日に120g。もしこのブドウ糖が不足すれば、酸素不足同様、意識が保てなくなるなど、脳の作用そのものに影響を与えかねません。
私たちの身体はストレスがかかると血糖が上昇するようにできています。特に入院してくる患者さんの中には、脳卒中や心筋梗塞、外傷などのストレスにより、身体からカテコラミンが放出され、血糖値が上昇している人が多くなります。
これは、エネルギー源となるブドウ糖を多く体内に行き渡らせて、身体を危険(ストレス)から守るため生じるもの。身体のさまざまな機能を司る脳や神経を働かせ、筋肉を働かせる必要があるからなのです。