なんでみんな心電図が苦手なの? 3
- 公開日: 2015/5/24
読むのが難しい心電図モニターの波形。世の中には心電図のための、いろいろな本や講習会があるけれど、どうやって勉強すればいいの? 『平手先生のモニター心電図講座』(エス・エム・エス刊)の著者、平手裕市先生に、そんな質問をぶつけてみました!
全国24都道府県で開催する、参加者5万人以上の講習会のヒミツとは?
――――平手先生は全国で講習会を開かれていますね。心電図を教えるにあたって工夫されていることは何ですか?
平手先生 最も重要な目標は、楽しくわかりやすい講習会にすることです。
私は、参加者の表情を常に気にします。わかってもらえているのか、難しいのか、楽しそうか、眠そうか(笑)。一方的な説明にならないように、時には質問し(簡単な質問ですから、ご心配なく)、参加者とコミュニケーションをとりながらすすめます。突然、名指しで当てられるので、うかうか眠っていられません。でも、当てられた人には特製のカードをプレゼントするので、当たって嫌だとは思われないようにしています。なかには、「カードが欲しいから当ててください!」と言ってくる参加者もいますよ。
私の説明にうなずいてくれたり、笑ったりしてくれたときには、心の中で、よしよし!やった!と思います。
――先生は講習会での講義以外にも、心電図の本を何冊も出されていますよね。講習会と本で、勉強の仕方に違いはありますか?
平手先生 講習会では、わからなければ、あの手、この手と説明を変えたり、重要な事は、繰り返し説明し印象づけたりできます。
でも本では、これが難しい。特に重要と思って何度も書くと、わかっている人には邪魔になります。エス・エム・エス刊行の『モニター心電図講座 ベーシック編』と『ステップアップ編』では、Uちゃん、M先輩、S主任とDr.Hの会話の形で、飽きないように説明を繰り返し、重要なポイントを印象づけるように工夫しました。また、図を多くして、理解しやすくしました。
そして、石川えりこさんのイラストがとても素敵で、勉強が楽しくなります。私自身、いつもできあがってくるイラストがとても楽しみでしたよ。
本の良いところは、自分のペースで勉強できることです。ベーシック編もステップアップ編も14日で完全マスターと書いたように、標準的な勉強量を指定してあります。しかし、1日分を1週間で勉強し3か月かけてもいいし、2日分を1日で消化して1週間で終わらせてもかまいません。気の向いたときに、それぞれのペースで勉強できる点は、本が優れていますね。
――では、講習会と本、自分には何が向いているかどうやって見分ければいいですか?
平手先生 講習会か、本かではなくて、講習会と本を組み合わせて勉強してもらえると、さらに効果的になりますよ。
たとえば、私の講習会と本の場合、
1)全く初心者なら、新刊『楽しく入門!心電図の冒険 キャプテンHと海賊たち』を読む。
2)そして、誰にでもシリーズ、モニター心電図講習会、初級コースに参加する。
3)次に、書籍『モニター心電図講座 ベーシック編』で復習する。
4)それから、誰にでもシリーズ、モニター心電図講習会、中級コースに参加する。
5)書籍『モニター心電図講座 ステップアップ編』で復習する。
6)最後に、誰にでもシリーズ、モニター心電図講習会、上級コースに参加する。
これで、完璧です!
すみません、宣伝ばかりになってしまいましたm(_ _)m。
もちろん、1)3)5)でも、2)4)6)でも大丈夫です。もしも、5)か6)まで進んで、モニター心電図が読めなかったら、私に文句を言ってください。料金をお返しします(笑)。
次回は、「平手先生の新刊執筆秘話」についてお聞きします!
【お知らせ】
平手裕市先生が 新刊を出しました!
『楽しく入門!心電図の冒険 キャプテンHと海賊たち』(平手 裕市 著)
(B5判、136ページ、フルカラー、定価1,800円+税、シナジー刊)
カリブ海の港に暮らす3人の若者が、海賊から港を守るために、元船乗りのキャプテンHに弟子入りし、波(波形)を読 む勉強を始めるストーリー仕立ての心電図の本。
楽しみながら勉強できて、いつの間にか基礎が身につくという、いままでになかったユニークさ。一度読んでみよう!