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【連載】汎用性の高い被覆材を院内で統一することで効果的なスキンテア管理を実現する

第2回 皮弁が残るスキンテアや皮下出血のあるスキンテアへの処置は?

  • 公開日: 2015/9/27
  • 更新日: 2020/3/26

超高齢社会に伴い増加する高齢な患者への看護。高齢者の皮膚は、さまざまな理由から脆弱化し、些細なずれや摩擦によって、スキンテアを起こしやすい状態にあります。しかし、スキンテアの予防や処置の方法をしっかりと確立できている施設は、まだ多くはありません。そこで、スキンテアを予防する方法や、またスキンテアの悪化を防ぐための創傷管理方法について紹介します。


事例1 皮弁が残るスキンテアの処置例

車椅子移乗時にフットレストで下腿前部を受傷した例

80 歳、女性、肺炎で入院し、移動時には車椅子を使用していました。車椅子への移乗時、フットレストに下腿前部が擦れた際に表皮剥離し、スキンテアを起こしました。

受傷直後 受傷直後

創部を洗浄し、皮弁が残っていることを確認したため、皮弁をもとの位置に戻し、浸出液による浸軟を防ぐ目的で、皮弁の上からリモイス®バリアを塗布し、一次ドレッシング材としてソーブサン®、二次ドレッシング材としてエスアイエイド® を使用しました。

感染徴候もなく、スムーズに上皮化が促進され、創部が塞がってきたため、4 日後からはエスアイエイド®のみに切り替えたところ、8 日後にはきれいに治癒に進んだ事例です。

4日後 4日後
8日後 8日後

事例2 皮下出血のあるスキンテアへの処置例

動脈採血時のアルコール綿清拭で表皮剥離を起こした例

80 歳、男性、鼠径部からの動脈採血時、採血部をアルコール綿でさっと拭いた際に皮膚が切れてしまいました。

船木さんの欠勤日であったため、病棟看護師がエスアイエイド®を貼付して様子を観察。月曜日に船木さんに相談の連絡が入り、創部を観察したところ、皮下出血と凝血跡がみられました。そのため、ソーブサン®で被覆、翌日には治癒が進んでいました。

鼠径部、動脈採血時の表皮剥離 鼠径部、動脈採血時の表皮剥離

同院の第一選択被覆材は、エスアイエイド®ですが、本例のように出血斑や出血をみとめる場合には、一次ドレッシング材として止血効果の高いソーブサン®を貼付し、二次ドレッシング材としてエスアイエイド®を用いることで、より創部の上皮化を促し治癒を早めることができます。

ドレッシング材の選択基準については、上記のような治療の観点以外に、使用コストの観点も重要です。

「安価であることもドレッシング材選びのときの重要な要素」と船木さんは言います。

「在宅などでは、経済的な面から高価な創傷被覆材を使用できない場合もあり、価格は大事な要素となります。この点でも比較的安価なエスアイエイド®は使いやすいのではないでしょうか。同院では、骨突出部の軽い発赤などでも使用しています」

土日の間に受傷したスキンテアの患者さんに対しては、出血がなければ病棟の看護師が、ひとまずエスアイエイド®を貼って保護し、月曜に出勤してきた船木さんに状態の確認を依頼するといった方法で対処しています。こうしたプロセスを通して、より安価で安全なケアに結びつける取り組みが実施されているのです。

次回は「スキンテアの予防」について解説します。

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