【連載】看護学原論に立ち戻って考える!KOMIケアで学ぶ看護の観察と看護記録
第5回 看護にとって「病気」とは?―看護のものさし③生命力の消耗を最小にする援助(1)
- 公開日: 2015/10/21
そもそも「看護」って何だろう?何をすれば看護といえるのだろう?本連載では、看護とはどのようなことであり、どのような視点で患者を観察し、また記録するのかについて、ナイチンゲールに学びながら解説します。
本連載の第4回で、「患者に行き届いた看護をすれば自然の回復過程は妨げられることなく順調に進む」というナイチンゲールの言葉から、本来の看護とは「“自然につくり出す回復過程”に力を貸し、患者の生命力がアップするように導く」というお話をしました。
今回は、看護のものさし③「生命力の消耗を最小にする援助」とはどんなことを指すのかについて具体的に考えていきます。
「最も良い状態」を生活過程の中に創り出す援助
体内で自然の回復過程が妨げられないように順調に進ませるためには、患者に対してどのようにすればよいか、第1回から読まれている方は、だんだん想像が出来てきているのではないでしょうか。
例えば、部屋の空気の質に気を遣ったり、太陽の光をとり入れたり、食べられる食物を準備し、食べられる時間を見計らって食事を提供したり、手浴や足欲をしたり、変化を作ったり、安楽な体位を工夫したり、体位変換をしたり、身体を清潔にしたり……。
そうした患者にとっての外部環境をベストに整えるという「本来の看護」を行き届かせることで、体内に発動する自然の回復過程は順調に進み、さらには促進されることになります。それはまた、その時々の生命力の消耗を最小にすることにつながるのです。