第7回 せん妄を見逃さないためには?③うつ病との見分け方
- 公開日: 2015/10/14
大きな手術後やがんの終末期などに極めて高頻度にみられる「せん妄」。せん妄は、注意力や意識が低下することで患者さんが転倒・転落したり、幻覚が見えて暴れたりと治療を大きく阻害するものです。特に低活動型のせん妄は見落としがち。本連載ではそんなせん妄へのアプローチ法をやさしく解説します。
▼せん妄についてまとめて読むならコチラ
せん妄とは? せん妄の症状と看護
今春から外科病棟に配属された看護師のAさん。担当患者さんが手術後にせん妄を発症してしまい、日夜悪戦苦闘・・・。これを機に、せん妄について体系的に勉強したいと考えています。
せん妄とうつ病の違いって?
看護師Aさん:「今回のテーマは『うつ病との見分け方』ですね。せん妄とうつ病は全然違うように思うのですが、実際間違われることがあるのでしょうか?」
井上先生:「まずはそこから説明しましょう。前に低活動型せん妄について勉強したと思います。低活動型せん妄ではどのような症状があったか、覚えていますか?」
看護師Aさん:「無関心や動作緩慢といった症状だったと思います」
井上先生:「よく覚えていましたね。でも、考えてみると、それらの症状はうつ病でもみられませんか?」
看護師Aさん:「確かにそうですね。活動性が落ちたり、集中力が低下するといったことも、低活動型せん妄とうつ病に共通した症状でしょうか」
井上先生:「その通りです。では、鑑別のポイントはどこでしょうか?」
看護師Aさん:「難しいですね。例えば、気分の落ち込みがあるかどうかで判断するというのはどうでしょう?」
井上先生:「それはよいところに気がつきましたね。うつ病の場合は抑うつ気分や悲哀感がみられることが多いのに対して、低活動型せん妄はいわば「困惑」といった感情を呈することが多いようです。そのほか、低活動型せん妄とうつ病の違いについては次の表の通りです」
カテゴリの新着記事
「明日から使えるロナセンテープQ&A!」—貼付のコツと患者さんへの説明の工夫【PR】
今回は、ロナセンテープの貼り方・剥がし方のコツや、患者さん・ご家族への説明の工夫をご紹介します。 「食べてしまわない?」「剥がされない?」などの疑問にも実例を交えてお答えします。 明日からすぐに使えるヒントが詰まった内容です。 【施設紹介】
-
-
- 「貼る抗精神病薬って?」—ロナセンテープの仕組みと特徴【PR】
-
-
-
- 「現場で、ロナセンテープはどう使われている?」—医師と看護師の視点から考察する【PR】
-
-
-
- 夜間せん妄を発症した若年患者さんに関する看護計画
-
-
-
- 急性混乱のある患者さんへの看護計画|術後せん妄が生じている患者さん
-
