ビーフリードに遮光は必要か?
- 公開日: 2016/6/18
- 更新日: 2021/1/6
基本的に遮光は必要ない
ビーフリード(R)に他の薬剤を混合せず、病室などの室内散乱光下で投与する場合は、遮光カバーをつける必要はありません。
ビーフリードを外袋から取り出した後、隔壁を開通し室内散乱光下(約500lx)で保管した場合、7日間は成分含量が95%以上であったと、インタビューフォームに記載されています。
ビーフリード(R)は、術前術後や軽度の低栄養状態の際に用いることの多い薬剤で、アミノ酸、ブドウ糖、電解質、ビタミンB1および水分を補給するもの。
保存方法には遮光・室温保存と表示されていますが、保管中のビタミンB1の光分解を防ぐため、外袋にはUVカットの袋が用いられています。
投与前に隔壁を開通して上室液と下室液を十分に混合した後は、速やかに使用します。
ビタミンB1の光分解は短時間では起こりにくいとされていますが、そのほかのビタミン製剤などを混合した場合には、そのビタミンの光分解を防ぐために遮光カバーを使用したほうがよいでしょう。
ビタミン製剤のほか、抗がん剤、抗真菌薬などの中にも遮光が必要な薬剤は数多くあるため、遮光が必要かどうかわからない場合は、自分で判断せず薬剤師に問い合わせるようにしましょう。
※以前、ナースプレスにてビーフリード(R)に遮光が必要と記載した記事が公開されていました。正しくは上記のようになります。お詫びして訂正いたします。
光分解ってなに?
薬剤の成分には、紫外線や可視光線などの光のエネルギーを受けることで酸化・還元反応などの化学反応が進み、分解・変色するものがあります。これを光分解といいます。
なかでもビタミン類は特に光の影響を受けやすいものが多く、薬効の低下や失効を招くことがあります。
こうした光分解を防ぐため、薬剤によっては、着色した容器に入れられていたり、カバーやケースなどに入れられていたりするものがあります。
蛍光灯などの室内灯に加え、昼間は太陽光の影響も受けるので、輸液投与時はもちろん、保存時も十分に注意することが必要です。