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【連載】検査早わかりファイル

肺機能検査の目的と看護のポイント

  • 公開日: 2016/7/28

肺機能検査とは

 循環器疾患で最も重要な生理機能検査が心電図であるように、呼吸器疾患の診断における最も重要な生理機能検査は肺機能検査です。肺機能検査は、呼気と吸気からなる人間の呼吸運動を評価することができ、なおかつたいていの場合非侵襲的です。精密で大掛かりな装置を要する検査方法も存在しますが、多くの疾患・診療現場では基本的な肺機能検査ができれば十分であり、それをカバーするポータブルの機材も開発され普及しています。

 肺機能検査は、喫煙に伴う呼吸器領域の生活習慣病ともされる慢性閉塞性肺疾患、いまだなお発作での死亡者も多い気管支喘息、少ないながらも重篤な経過をたどることも少なくない間質性肺炎など、肺に関する多数の疾患で診断の重要項目とされています。

 今回は、この肺機能検査について解説していきましょう。

どんな検査?

検査を行う目的

肺機能検査は、呼吸器疾患の診断、治療効果の判定に用いるために行います。例えば、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息では主に呼気時の吐きにくさ、つまり呼気気流障害について評価を行い、診断につなげます。
 一方、間質性肺炎では、一般に肺活量といわれる肺気量について評価を行い、診断につなげます。

主な禁忌
バイタルサインが明らかに異常な患者さん
急性期の心筋梗塞
急性期の脳血管障害
気胸
感染性疾患(結核など)
認知症や他の理由で指示に従えない患者さん

どこを見るか?

肺機能検査は、最終的には多くの場合、肺機能検査レポートなどの形で専門医の判読したものが検査部などから送られてきます。まず、そこに記載される項目のうち主なもの、つまり「閉塞性障害」、「拘束性障害」について確認しましょう。さらに余裕があれば、実際の数値も確認し、フローボリュームカーブといわれる吸気と呼気をグラフ化したものも見ていきます。
 このデータから、多くの情報が得られるでしょう。

どんな器具を使う?

1 肺機能検査器

肺機能検査は、気流と肺気量を測定可能な装置と、それを表示・解析するコンピュータからなります。

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