肝硬変による腹水
- 公開日: 2016/11/8
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肝硬変では、肝臓でのアルブミン合成能の低下により膠質浸透圧の低下と門脈圧の亢進が起こり漏出性の腹水が生じます。また、腹水や浮腫といった形で水が使用されるため、代償的に尿量が減ることもあります。
腹水の機序
肝硬変における腹水の原因は、大きく分けて2つあります。
ひとつ目の原因は、門脈圧亢進による血液漏出です。胃や小腸、大腸を巡った血液は門脈を通って肝臓へ流れます。そのため、肝臓は血流が豊富です。肝硬変になると肝臓が硬くなることで門脈圧が亢進し、血液が流れにくくなります。そうすると、血液の血漿成分が門脈の外に染み出し、腹水となります。
もうひとつの原因は、アルブミンの低下による血管からの水分の漏出です。浸透圧は、血中にアルブミンがあることで保たれています。アルブミンは肝臓で作られるため、肝臓が弱るとアルブミンが十分量作られなくなります。そのため、浸透圧が低下し、血管から水分が漏れ出し、腹水や浮腫などが起こります。
続いて「腹水の治療」「腹腔穿刺の注意点」を解説します。
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