AYA世代|思春期と若年成人期のがん患者さんが抱える問題
- 公開日: 2017/1/21
「AYA(アヤ、Adolescent and Young Adult)世代」と呼ばれる10代半ば〜30代のがん患者さんは、学業の継続や就職、結婚、出産などとがんの治療が重なり、その他の世代とは違った困難があります。若い世代のがん患者さんの実態を調査している厚生労働省の研究班は、厚労省のがん対策推進協議会で相談窓口など支援の整備を進めることを提言しました。
この問題に看護師は、どのようにかかわっていくとよいのでしょうか。
小児から成人への移行期 AYA世代の特徴とは
みなさんは「AYA世代」という言葉を聞いたことがありますか。「AYA」とは「Adolescent and Young Adult」の略で「思春期と若年成人期」の世代を意味し、AYA世代とは、主に15~30歳代(医療機関や団体等によってその定義に若干の差があります)のがん患者さんのことを指します。
2017年度にはがん対策推進基本計画の重点課題の一端として、AYA世代に対する今後の取り組みへの検討が始まっており、それを受けるかたちで、昨今注目されるようになってきました。
AYA世代は、小児から成人への移行期にあたるため、小児と成人双方の特徴をもち合わせています。そのため、がん種が多く、小児によくみられる白血病や悪性リンパ腫、脳腫瘍、骨軟部肉腫、神経芽腫、胚細胞腫瘍などに加え、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がんなど成人に多いがんも発症します。