【連載】公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 分析テーマ
個別テーマについての検討状況|第11回報告書(2007年7月〜9月)③
- 公開日: 2010/1/3
【3】医療処置に関連した医療事故
本報告書では、ドレーンの挿入・留置及び管理を「患部にドレーン(誘導管)を置き、患部に貯留する滲出液や血液、及び空気を持続的に誘導させる行為に伴うもの」とし、分析を行った。
(1)ドレーンの挿入・留置及び管理に関連した医療事故の現状
平成19年7月1日から9月30日の間に報告された医療事故事例のうち「事故の概要」のコードの中から「ドレーン・チューブ」のコードで選択されていた事例、及びそれ以外のコードの中から、その報告内容がドレーンの挿入・留置および管理に関する事例は4件であり、医療事故事例の概要を図表Ⅲ-13に示す。
なお本報告書では、低圧持続吸引器はⅰ.吸引圧を注水量や電子的に設定するものⅱ.除圧バッグなどでほぼ一定の陰圧で吸引するものとする。
① 挿入・留置時の操作
挿入・留置時の操作段階における事例は2件であった。2件ともドレーンの前に超音波で位置を確認して実施しているが、臓器の損傷やドレーンの迷入をしてしまった事例であった。
② 観察・管理
観察・管理段階における事例は2件であった。いずれもドレーンをクランプ(閉塞)することに関する事例であった。
(2)ドレーンの挿入・留置及び管理に関連したヒヤリ・ハットの現状
第24回ヒヤリ・ハット事例収集において報告された141件についてドレーンの挿入・留置および管理を行う際の業務の段階を「挿入・留置時の操作」、「観察・管理」、「抜去時の操作」に分類し、ヒヤリ・ハット事例の発生状況を整理した(図表Ⅲ-14)。
また報告された事例の中から主な記述情報28件を図表Ⅲ-15に示す。
参照:第11回報告書(PDF形式)医療処置に関連した医療事故
情報提供:公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部