あなたは大丈夫? 問題解決場面にひそむ4つの落とし穴
- 公開日: 2020/3/19
看護の現場では、毎日さまざまな問題が発生します。知識や経験ですんなり解決できることもありますが、それだけではうまく解決できない場面も出てきます。まず、問題の解決をはばむ落とし穴について知っておくことが大切です。
私たち看護師は、知識、技術、態度(こころ)について看護教育のプログラムのなかで学んできました。実際、看護系の研修では、この3つに関する研修を多く目にします。
その一方で、中堅になると、看護の現場で必要とされるのは、起きているさまざまな問題を解決できる力、すなわち問題解決力を期待される場面が多くなると思います。私たちは忙しい現場で、対患者、対医師など人とのかかわりに関すること、業務改善に関することなど、多様な問題をスムーズかつスピーディに解決しなければなりません。しかし、解決しようとしても、うまくいかない場合があります。そのようなときは、「思考の落とし穴」にはまっているのかもしれません。
そこで、現場で陥りがちな4つの落とし穴を事例をもとに紹介します。
※「落とし穴2 無意識に方程式に当てはめて答えを出している」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。
落とし穴1 問題だということに気づかない
例えば、A病院の褥瘡ケア用品のコストは、コスト削減意識の喚起もあり、年々減少していました。ところが、処置時間に着目してみると逆に増加していたのです(図1)。物品の価格を抑えてコストを減らしても、それを使用する看護師の手間が増えたのでは意味がありません。
図1:褥瘡ケア用品のコストと残業時間の変化
このように、多面的に問題を見ていかないと、そこに問題があることに気づかない場合があります。