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【連載】看護のナレッジマネジメント

第3回 看護師の経験とキャリアとは?べナーの看護理論をもとに考える

  • 公開日: 2009/5/28
  • 更新日: 2020/10/22

キャリアとは

今回は、ナースの見えにくい技(暗黙知)の熟達に関係する「経験とキャリア」について皆様と一緒に考えてみたいと思います。

キャリアとは”生涯を通しての人間の生き方・表現である”

冒頭の言葉は「組織文化とリーダーシップ」(1985年発表)等、多くのキャリア、組織文化、について研究している<エドガー・シャイン>の有名な言葉です。彼の著書「キャリア・ダイナミックス」(1991年、白桃書房)の中のフレーズです。

今回、キャリアについて考えるにあたって、シャインと共にもう一人の人<パトリシア・ベナー>についても是非知っていただきたいと思います。ベナーの名前は、10年以上ナースを継続してきた方でしたら、きっと一度や二度は聞いたことがあるのではないでしょうか。看護理論家の中で、唯一といってもよい「帰納的な研究方法によって理論を構築した人」です(帰納的‥という言葉については次回、説明をします)。

なぜ他の理論家たちとは異なる方法で理論を創ったのでしょうか。それは、ベナーは「優れた実践家の技を描くためには、現場の優れた実践家を見る(参加観察)ことと、どのように実践しているのか直接聞くこと(インタビュー)が一番である」と考えたからです。ナースの熟達段階をベナーは以下の表に示したように、5段階で示しています。

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臨床的技能の修得段階

おおよその年数がありますが、必ずしもその年数に合致して発達していくわけではない、ということがナースのキャリア発達の難しい所です。そして、ベナーは、その著書の中で「実践技術が優れているからと言って、エキスパートではない」と厳しいことを言っています。それは、「人格を磨くことや人間関係構築能力」があってスキルが発達していく「総合的な」総体をいう、と言っているのです。切り分けられない、総体として存在するという点が、暗黙知に通じる難しさであると思います。

経験とは

またまたベナー登場ですが、「経験とは単に時間の経過や長さではない」と言っています(ベナー看護論P.25)。「経験年数」、という言葉をナースはよく使いますが、ナースとして過ごした年数がイコール、キャリアではないとしたらどう考えたらよいのでしょうか。

1.直接的経験‥生の体験
2.反省的経験‥1の体験を考え続け、意味付けていく反省的(内省的)経験をいう。

これは、経験に2種類あるという考え方です。実際に体験しただけでなく、その後の考えを深めていくことにより「経験」になる、というものです(J・デユーイ)。看護の知(ナレッジ)としては、やはり直接的経験を通して、さらに思考を広めたり、深めていきながら意味付けをしていくこと、つまり自分なりの「考え方」、「概念」にしていくことで初めて「経験」キャリアとして説明できると、とらえたいですね。

エキスパート説明図

概念にしていくこと、これはどのようにしたらよいのか、次に一緒に考えていきましょう。次回は「看護の知の見える化」-その方法としての「概念化」についてお伝えします。

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2009/5/28