イライラ、モヤモヤから脱出!セルフコーチングの ススメ
- 公開日: 2019/11/2
「~すべき」はパワハラの種
急性期病院から転職してきた真面目な中堅看護師が「えっ?この病院ってまだ、この方法でやってるの!本当は〇〇すべきなのに」と思ったとします。このように考えていると、その業務を疑問なくこなしているスタッフに対しても、「本来、仕事って問題意識をもってするべきなのに、こんなことに気づかないのなら、ほかのこともきっとできてないに決まってる」、「そもそも師長が問題意識をもって改善すべきなのに、まずい病院に来ちゃった。せっかく転職したのに……」と、将来が不安で疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
このような心の状態が続いてしまうと、この中堅看護師は、いずれ新人に向かって「この病院のやり方が正解だと思わないほうがいいからね」などと言ってしまうかもしれません。ですが、この言葉は、病院への批判ですからよくありません。
ほかの病院から来た人だからこそわかることもたくさんありますが、こうしたことは、アサーティブ(率直)に上申して改善するのが望ましいといえます。ただし、上申の仕方によっては、「異動してきたばかりでまだ仕事を教えてもらわないといけない立場なのに、意見なんて早すぎる」と、悪くとられることもありますから、なかなか労力がいることです。
この中堅看護師の「~すべき」思考は、真面目な人がもっている常識的な考えです。しかし、「~すべき」を人に強要しすぎると、人や状況をコントロールするパワーを行使することにつながってしまいます。この「~すべき」や類似語の「~しなければならない」という言葉の乱用は、パワハラを呼び起こすきっかけになるため、注意が必要な思考です。