[介護] 21年度介護保険制度改正へ給付と負担の在り方議論 社保審・部会
- 公開日: 2019/9/2
社会保障審議会・介護保険部会は29日、厚生労働省が次期介護保険制度改正に向けて提示した個別テーマについて議論を開始した。被保険者・受給者範囲の見直しや補足給付に関する給付の在り方、ケアマネジメントに関する給付の在り方など、「給付と負担」を巡る議論では、被保険者の年齢区分や財源など制度の枠組みの見直しを求める意見が複数あった。
厚労省が年末の取りまとめに向けて示した今後の検討課題のうち、給付と負担に関するものは、
▽被保険者・受給者範囲▽補足給付に関する給付の在り方▽多床室の室料負担▽ケアマネジメントに関する給付の在り方▽軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方▽高額介護サービス費▽「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準▽現金給付
―の8点。
被保険者の範囲に関する検討の材料として、厚労省はこれまでの議論の中で「要介護となった理由や年齢の如何に関わらず介護を必要とする全ての人にサービスの給付を行い、併せて保険料を負担する層を拡大する『制度の普遍化』を目指すべきか、『高齢者の介護保険』を維持するかを中心に議論が行われてきた」ことを示した。委員からは「2号被保険者の範囲の拡大は、現役世代の負担増につながる。慎重な議論が必要。60代後半の方が、本当に1号被保険者のままでよいのか、被保険者の見直しの際にはこういった論点が必要」(河本滋史・健康保険組合連合会常務理事)などの指摘があった。
このほかの検討課題には、地域包括支援センターの機能強化、介護支援専門員が多様なニーズに対応して、質の高いケアマネジメントを実現できる環境整備の方策、保険者機能強化推進交付金についての評価指標の見直し・メリハリ付けなどが挙げられた。これらの課題について事務局は、「この項目をやるべきだとか、この項目をやるべきでないというスタンスを今は取っていない」として、今後の議論の方向性について現時点での明言を避けた。今回の意見を踏まえて再度課題を整理・集約して部会で提示する。
(厚生政策情報センター)
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