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【連載】看護師のためのEQ講座

EQチェック② 「ストレス共生~あなたのストレスとの折り合いのつけ方は?」

  • 公開日: 2021/4/23

今回は、EQ簡易診断の結果(「第2回 自分のEQをチェックしてみよう」参照)をもとに、「ストレス共生」を使って、みなさんのストレスとのかかわり方、折り合いのつけ方を見ていきたいと思います。 ストレスはその内容や量にもよりますが、必ずしも悪いものではありません。むしろ、それをどのようにとらえているか、つまりストレスとどうかかわっているのかが心身の健康に大きく影響してきます。


「7.精神安定性」~落ち着きと安定感、気分のムラは?

 まずは、ご自分の気持ちの振れ幅の大きさをみてみましょう。


 ここが高いと気持ちの振れ幅は少ないため、周囲から安定しているように見られることが多いでしょう。逆に低いと、気持ちの振れ幅が大きいため、落ち着きがない、ムラっ気があると見えるかもしれません。


 ここでも、どちらが良い・悪いという評価は、いったん脇に置いておいてください。


 実際に個別面談などでお話を伺うと、ここが高く安定していても、内面では気持ちが揺れているときでも周りから理解してもらえない、という悩みを抱えている方もいますし、逆にここが低い方でも、むしろ好奇心や関心に素直に反応できるご自分を愛おしんでいる方もいらっしゃいます。


 感情、気持ち、こころの反応は自然で正直な反応です。良い・悪いなどの評価はいったん外して、今の自分を受け止めたうえで、今後のことは改めて考えるようにしないと、ついつい自分を責めることになり、苦しくなってしまいます。


 看護師は、患者さんやご家族から直接、喜びと感謝がもらえる反面、プレッシャーの高い専門職でもあります。その日常には多くのストレス要因がゴロゴロ転がっています。そんな多くのストレスとかかわりながらも、うまくストレスとかかわっているご自分の自然な反応を、客観的に見つめてあげましょう。


「5.自己コントロール」~感情のコントロールと表出は?

 そのうえで、ご自分の感情コントロールや表出の量を見てみましょう。


 ここが高い方は、感情のコントールができている、めでたしめでたし、そう思われるかもしれません。でも実際にお会いすると、とても疲れている方も多いのです。


 ストレスや不満をため込みやすく、または我慢せざるを得ない環境にあるのかもしれません。もし思い当たる方がいましたら、ご自分の感情をコンロトールする頻度や程度が過剰でないか要注意です。


 逆にここが低い人は、もう少しコントロールした方がよいかもしれない反面、率直で素直なコミュニケーションがわかりやすいと好意的に受け止められているかもしれません。


 今のご自分を客観的に見つめてみた後に、改めて気持ちを切り替えたうえで、周囲への影響を考えてみましょう。


 重大な場面では確かに感情を押し殺すことが求められるかもしれません。ただ、日常的にいつもいつもご自分の感情を押し殺すことは、あなたのよさをも押し殺してしまうことになりかねません。


「6.ストレス対処」~ストレス発散の量は?

 ここで見ているのは、ストレス発散行動の量です。ストレスを感じたときに、どれくらい発散しているのかを見ています。低かった方は、ストレスをうまく発散しながら生活しているか、考えてみてください。そもそもそんなにストレスを感じない、という方は、ストレスと感じない、上手い考え方を身につけているのかもしれませんね。


 看護師は、ストレスとのかかわり方を学べるお仕事です。赴任したばかりの頃は、イライラしたり、すぐに泣き出してしまっていた方も、仕事に慣れるにしたがって、そんなことも徐々に少なくなっていきますよね? この過程をご自分の意識と行動で変えていけると、仕事をしながら、自信を身につけていくことができます。


 いかがでしたでしょうか? 感じたことをとらえ直し考えてみることで、周囲やご自分の見え方が変わってこないでしょうか? EQは感情と思考をつなぐ知性です。慌ただしい毎日の中でも、時折EQを意識してみることで、感情に流され翻弄される日常から、ご自分を解放し、更なる可能性を切り拓いていきましょう。



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