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【連載】看護師のためのEQ講座

EQチェック①「自己認識力~自分の感情状態を見つめてみよう」

  • 公開日: 2021/3/7

看護師 今回から、「自己認識力」「ストレス共生」「気力創出力」「自己表現力」「アサーション」「対人関係力」「対人受容力」「共感力」と中分類8つの能力でもう少し詳しくみなさんのEQを見て行きたいと思います。
今回は、「自己認識力」。みなさんの感情状態を見てみましょう。しつこいようですが、スコアの高い低いよりも、注目すべきはバランスです。


「1.私的自己意識」と「2.社会的自己意識」のバランス

1と2のバランスを見てみましょう。1の方が高い人も、2の方が高い人もいらっしゃると思います。極端にどちらかが高かった・低かったという方は注意しましょう。 1の方が高い人は、マイペース、ややもすると、つい独りよがりになってしまうことはないでしょうか? 2の方が高い人は、周囲からの目や期待感に敏感な一方で、周囲に流されてしまう、ということはないでしょうか?


このように、スコアだけで、よい/悪いと一概に決めつけることはできません。まずはご自分の「今の」傾向を理解することに努めましょう。まずは意識することで、これまでより物の見方や行動が少しずつ変わって行きます。


「3.抑鬱性」「4.特性不安」の高低

両方とも4だったなど、共に高かった方、クヨクヨすることなく不安を感じることも少ない、とてもアクティブで行動的な方ではないでしょうか。その一方で、行き当たりばったりで同じ失敗を繰り返すことがあるかもしれません。


逆に、両方とも低かった方は、つい済んだことを引きずりがちで、なかなか行動に移せないことがあるかもしれません。でもその分だけ、慎重に物事を進めることで、失敗することが少なく済んでいるかもしれません。


このように高いからよい、低いから悪い、と一概に決めつけることはできません。

EQの高い人は、状況や仕事の種類に合わせて、その発揮度を柔軟に変えることで、的確に考え、行動できる人のことです。いつも明るく元気な人だって、眉間にしわを寄せて慎重にチェックしていますし、いつも慎重な人も、ランチタイムでは快活におしゃべりすることだってありますよね? 大切なのは、そのときその状況にふさわしい行動、言動ができることです。


これから、周囲の状況や相手の感情を察知し、今その時、その人に求められる言動、行動ができるように今の自分のEQに気づき、EQを高めていきましょう。


最後に、ちょっとだけ自己分析する際の留意点に触れておきたいと思います。


ご自分のチェックしたEQ簡易診断の結果を見て、どのように感じられたでしょうか?


おお、「私ってすごい!」と思われた方も、「だから私ってダメなんだ……」と思われた方も、一旦評価することは止めて、脇に置いておいてください。真面目な方ほど、ついご自分を評価しがちなものです。


まずは自分の今の状態がこうなっているんだな、と今の状態に気づくこと、認識するだけにすること、にとどめ、ご自分の今のEQ発揮状況を見つめてみましょう。感情は嘘をつきません。その分だけ、自分の感じ方を評価してしまうと苦しくなってしまいます。まずは自分の正直な反応を受け容れることから始めましょう。


簡易診断の結果=EQの発揮度は、どんどん変わっていきますし、変えていくことができます。


次回は、「ストレス共生」。みなさんがネガティブな感情をどのように調整しているかを見つめ、自分がラクになるヒントを探していきたいと思います。


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