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【病院レポート】クローバーホスピタルにおける看護補助者の状況報告 ~取り組みと課題~

  • 公開日: 2020/3/12
  • 更新日: 2020/10/22

看護業務の効率化を図り、看護師がより専門性を発揮するためには、看護師と看護補助者の協働を進める必要があります。

看護補助者の確保が困難となってきているなか、クローバーホスピタルでは、看護補助者がやりがいをもって業務や委員会活動にあたっており、人員確保も安定しつつあります。

この記事では、クローバーホスピタルにおいて看護補助者がどのように活動しているのか、また、今後の課題にはどのようなものがあるのかをレポートします。

はじめに

 当院回復期・慢性期に位置する170床の在宅療養支援病院で、地域包括ケア病棟46床、回復期リハビリ病棟60床、医療療養病棟31床、特殊疾患病棟33床、外来の5単位で、2019年9月現在看護師78名(産休者5名含む)看護補助者45名の組織です。

 看護の対象者が安全で質の高い看護を受けられるように、看護が提供される場において看護補助者は、看護チームの一員として、看護師の指示のもとチーム医療を推進していくうえでその役割は重要です。

1 クローバーホスピタルの状況

 設置主体である法人は、藤沢市南部の医療活動に携わり30年、7事業を展開しています。当院は開設して16年目となり、法人の明確な理念のもと、地域に貢献する医療を目指し、地域のニーズと国の施策を鑑み、数度の増床を経て現在に至っています。当初、医療療養病棟60床、介護療養病棟60床の120床から始まり、2019年1月前述したように170床の病院となりました。

 4病棟の配置基準は、医療療養病棟看護配置20:1・看護補助者配置20:1、特殊疾患病棟看護師・看護補助者10:1(そのうち看護職5割以上、看護師2割以上)、地域包括ケア病棟看護配置13:1・看護補補助者25:1、回復期リハビリ病棟看護配置13:1・看護補助者配置25:1という基準で運営しています。
中小病院にとって人員の確保は大命題でありますが、特に看護補助者の確保は、困難な状況にある中で安定しつつあります。

 看護補助者という名称ではありますが、その内訳は、主に直接業務をする介護福祉士、初任者研修・実務者研修修了の介護士、それ以外の介護士、主に間接業務をする看護助手、口腔ケアを担当する歯科衛生士、事務的業務をするクラークが、チームの一員として連携して業務にあたっています。

 もともと療養病床からの開設であるため、介護福祉士を積極的に採用した経緯があり、さらに入職してから初任者研修・実務者研修を受講し、介護福祉士の資格を取得している職員も多く、意欲の高さがうかがえます。

 法人の理念には、地域に密着した「入院のできる在宅医療」「医療のある介護の実践」と謳われ、介護職を大切にしている表れと、介護職の意欲を掻き立てる理念だと感じています。看護という言葉は記載されていませんが、医療という言葉の中に看護を含めた医療従事者が包含されていると認識しています。病院内連携、法人内連携、地域との連携などチーム医療を推進しており、円滑に連携が図れています。

 2018年度看護部では、看護部の理念を見直し、中長期目標、方針を新たに策定しました。それに伴い委員会構成や担当者についても検討しました。当院の規模においては人数に限りがあり、必要最小限かつ効果的な部会活動が求められます。看護部運営をしていくうえで外せない委員会を検討し、6つの委員会を立ち上げました。2019年度もそれを継続し、当該年度の活動目標を定めて現在に至っています。

 看護師長は4名で、院内の委員会の委員長になることもあり、看護部内委員会は、主任を委員長とし、師長はオブザーバーという形で運営してきました。看護部長は、師長会、主任会、介護士会を担当しその他は、必要に応じて出席としています。

 当院の介護士会の取り組みとして、日常生活の援助に関するマニュアルは、介護士会が作成、見直しをしています。介護士の教育・研修に関することは、介護士会で主体的に検討し、師長会で承認を得て実施しています。

 委員会活動は、月1回限られた時間の中で開催され、今年度は、人員が整いつつあり落ち着いてきたこともあり、各部署の看護補助者の顔と名前が一致し、各部署どのような業務をしているのか、部署紹介とグループワークを実施したいという意見が出されました。

 45人中12人と、参加者は少なかったですが、それぞれの部署が、自部署の特徴を把握し、他部署に分かりやすく説明していました。またグループワークでは、それぞれが発言し、課題や今後の自分のキャリアアップ、受けたい研修など積極的な意見交換ができたことは有意義であったと考えます。出席者からも限られた時間の中で、他部署の状況やお互いを知ることができ有意義だったという声が聞かれ成果があったと感じています。

 各施設では、系統立てた看護補助者研修がなされていると思われます。当院の規模においては、業務優先にならざるを得ない現状もあり、系統立てた研修ではなく主体的にマニュアルを見直し、必要な研修について考え、それぞれがこれまでの経験や知識を活かして、実践に結びつける活動をしています。今年度、年度末評価の時期となり、次年度に向けて目標の設定や研修の計画に活かしていきたいと考えています。

 看護補助者は、患者さんの一番近くにいる存在でもあり、さまざまなことに気が付きます。患者さんや家族は、医師や看護師に言えないことを話すこともあります。また、入浴や排泄介助時等に、全身状態や、皮膚の状態、「いつもと違う」など気が付くことができます。看護補助者たちが知りえた情報を報告・連絡・相談することで、情報が共有され、よりよい医療や看護の提供につながる。重要なチームの一員であり、一人ひとりが大切な存在です。

2 今後の課題

 病床規模にかかわらず、採用と育成に苦労しているのはどの施設も同様です。介護福祉士の資格を有している職員、未経験職員それぞれ抱えている問題はあります。適切な協働体制を構築するためには、看護管理者の理解、看護職の理解は欠かせません。また、役割、業務範囲に関する相互理解が重要です。

 育成においては、業務範囲の明確化、標準化、業務の流れの共有などが必要であり、当院も基準・手順、各勤務帯のタイムテーブルを適時見直し、整備が必要であると考えています。看護補助者との連携・補完は必要なことであり、コミュニケーションを促進するような働きかけや、看護補助者の声を反映し、定着と推進を図れるよう、取り組んでいきたいと考えています。今後は、院内全体でローテーションやサポート体制がとれるよう、部署を超えた取り組みが重要となってくるでしょう。

 介護士会が中心となりマニュアル作成、見直しをしていますが、今後は、看護師・看護補助者双方を対象としたマニュアルに統合していくことが求められます。また、教育・研修に関しては、システム的に構築していく必要性があります。看護職と看護補助者が一つのチームとして看護を行うという認識を持つことが基本であり、医療の場で働く職業人として日々、自己研鑽に努める必要もあります。

3 おわりに

 病院・施設を問わず、どの医療機関でも看護補助者不足は深刻で、離職も多いということが言われています。看護補助者の人員確保・育成は難渋している問題であり、外国人の採用など積極的に取り入れている他施設の取り組み情報も得ていますが、成功例やそうでないケースなどそれぞれが模索している状況です。

 まずは今いる人を大切にし、よりよい職場環境を整え、やりがいを持って働いてもらえるよう、教育・研修体制の充実、適材適所に配置する、多様な勤務形態を取り入れる、など、継続して取り組んでいきたいと考えています。チームの一員として、お互いに高めあうことができる職場にし、質を高めていくことが目標です。

参考文献

1)日本看護協会:急性期医療における看護職と看護補助者の役割分担と連携に関する日本看護協会の基本的な考え方、2012.
2)日本看護協会:看護補助者活用推進のための看護管理者研修テキスト、2013.

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