【日本看護協会】求職者数、2007年以降で最も多い結果に|「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」
- 公開日: 2023/11/25
公益社団法人日本看護協会(会長・高橋弘枝、会員76万人)は、看護職の求職・求人・就職に関する報告として、2022年度の都道府県ナースセンターの登録データの集計・分析結果をまとめました。
求職者数・求人数・求人倍率のいずれも増加傾向に
2022年度の求職者数は96,302人※で、2007年以降、最も多い求職者数(新型コロナウイルス感染症が影響した2021年度を除く)となりました。求人数も2021年度の176,334人から463人(0.26%)増加して176,797人、求人倍率については2007年以降で最も低くなりましたが、2021年度と比べて0.51%増加し、1.84倍という結果となりました(図1)。
※2021年度の求職者数の大幅な増加は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種業務就業準備金の支給条件として、eナースセンターの登録を求めていたことが要因の一つと考えられるため2020年度と比較した。
図1 求職者数・求人数・求人倍率の推移
「24歳以下」を除く全年代で求職者数が増加
年齢別の求職者数の割合を見ると、「24歳以下」を除く全年代で増加がみられ、「55〜59歳」「60歳以上」では、2020年度と比べて1.5倍以上の増加がみられました(図2)。また、求職者が就職する割合は年齢が上がるほど高い傾向にあり、「60 歳以上」が22.9%で最も高く、次いで「55~59 歳」15.2%、「50~54 歳」14.5%となっています(図3)。
図2 求職者数の推移
図3 求職就職率(年齢別)
転職先は診療所を希望する傾向が高く
施設種類別の求人数は、「病院(20~199床)」「病院(200~499床)」「訪問看護ステーション」が多い一方、求職者が希望する施設は、「診療所(無床)」「病院(20~199床)」「健診センター・労働衛生機関」「病院(200~499床)」「市区町村・保健センター」が上位を占めました。
「24歳以下」の退職理由、健康面に関する理由が多い結果に
就業中の求職者が退職を考える理由として多いのが、「看護職の他の職場への興味」で、全年代に共通しています。24歳以下では、「自分の健康(主に精神的理由)」「看護職の他の職場への興味」「勤務時間が長い・超過勤務が多い」「自分の健康(主に身体的理由)」「自分の適性・能力への不安」の順に多く、2021年度に比べて健康面に関する理由が多くみられました。30~34歳では、「看護職の他の職場への興味」「転居」「子育て」「夜勤の負担が大きい」「結婚」の順に多く、ライフイベントの影響も伺えます。
求職者が就職の際に重視する条件
求職者が就職の際に重視する条件は、「勤務時間」「給与」「看護内容」「通勤時間」「休暇」でした。就職者が重視していた条件も、「勤務時間」「給与」「看護内容」「通勤時間」「休暇」という結果になり、求職者が就職の際に重視している条件と相違はみられませんでした。