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【連載】基礎からまなぶ血液ガス

第6回 血液ガスデータから体内での酸素化を評価する

  • 公開日: 2014/6/29

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「酸素化を評価する」ということ

酸素飽和度とはO2とヘモグロビンの結合率

 「酸素化を評価する」ということは、「ガス交換によって必要な酸素(O2)がきちんと取り込まれているかどうかをみる」ことです。その指標の一つが酸素飽和度を示すSaO2です。これにより、ヘモグロビンと結合している酸素の割合をみることになります。

 ガス交換によって取り込まれたO2は、動脈血の血漿部分に溶け込み溶存酸素となります。さらに、その溶存酸素の多くは動脈血に含まれるヘモグロビンに結合されて結合酸素になります。血液中のO2の大半は結合酸素であり、溶存酸素はごくわずかしか存在しません。

 ヘモグロビンは1gあたり、およそ1.34mLのO2と結合することができます。例えば100mLの血液中に基準値14gのヘモグロビンがあると14×1.34=18.76で、18.76mLのO2がヘモグロビンと結合していることになります。(図1)

ヘモグロビン結合説明図
図1 結合

 SaO2は、すべてのヘモグロビンとO2が結合している状態=100%が最高値となり、測定したSaO2の値が100%に近ければ近いほど、酸素化が良いということになります。

 ちなみに、SaO2が100%となった状態で酸素投与し続けても、すでにヘモグロビンはすべてのO2と結合しているため、結合酸素の量に変化はありません。

酸素飽和度(SaO2)は酸素分圧(PaO2)に規定される

 一方、SaO2つまりO2とヘモグロビンの結合率は、酸素分圧PaO2によって変化します。PaO2が上昇すれば、それに見合っただけSaO2も上昇しますが、その変化の割合は一定ではないので、グラフ(酸素解離曲線)にすると線が真っすぐにならないことが知られています。

 次ページは「『酸素解離曲線』を理解しよう」について解説します。

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