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【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

予後についてどう知らせる?

  • 公開日: 2012/7/2

予後や悪い知らせを患者さんや家族にどう伝えるか、という点だけでも難しい問題です。さらに、家族には伝えないでほしい、などと患者さんから言われた場合、看護師はどう対応すればよいのでしょうか。
今回は、そんな告知に関するお悩みについて考えました。


▼看護師のコミュニケーションとマナーについて、まとめて読むならコチラ
看護師のコミュニケーションとマナー


Q. 予後について、患者さんは「家族に知らせないでほしい」と言い、家族は「正確な病状が知りたい」と言います。どのように対応すべきなのでしょうか。

A. それぞれの言葉に込めた思いを確認し、最良の形を探ります。

どのような考えから出た言葉なのかを考える

 優先すべきはやはり患者さんの意思です。ただし、知らせないという選択が本当によいのか、患者さんに不利益はないのかなど悩むところです。

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 患者さんはどのような考えから「知らせないでほしい」と意思表示したのでしょう。これ以上の心配をかけたくないという気配りなのか、家族との関係性がよくないからなのか。一方の家族の「正確な病状が知りたい」という言葉は、ありのままを受け止めようとしているのか、治療の余地を探ろうとしているのか。まずは、それぞれの言葉の裏に隠された思いを確認することが重要になります。

 併せて、医師がどのように説明し、患者さん自身が病状をどこまで把握しているか、家族に知らせないことで患者さんにどんな利益・不利益があるか、さらに逆に家族の意向に沿った場合はどうなのかの整理が必要です。

 また、こうした倫理的問題の場合、患者さんにかかわる立場によって見解や価値観が異なることが多くあります。そこで多職種が意見交換する場を設け、今この患者さんにとって何が大事で、そのためにどんな支援ができるかを検討することが重要になってきます。その際、有効なツールとなるのが「臨床倫理の4分割法」です。

 今後の方針を決めていくにあたり、医学的適応、QOL、患者さんの意向、周囲の状況などを、シートに沿って整理することで状況が把握しやすくなります。もし判断や価値観が多職種間で衝突し、葛藤や悩みが生じるようであれば、医療専門職間の共通概念となる「4つの倫理原則」(自律尊重原則、善行原則、無危害原則、正義原則)に基づいた状況分析が解決の糸口になるはずです。

 患者さんの病状は刻々と変化していきます。今できる最善のことは何かを考えることが答えにつながっていくのだと思います。

Q. 患者さんや家族に「悪い知らせ」を伝える際に、特に注意しなければならならないポイントは何ですか。

A. 患者さんと家族が受け入れられるように、信頼関係を築き、非言語的なコミュニケーションにも配慮して丁寧に対応しましょう。

事前に患者さんや家族の意向をできるかぎり掴んでおく

 がんの告知や再発、治療の不成功など、「悪い知らせ」を伝える役割を担うのは主に医師ですが、経過に立ち会うことの多い看護師が果たす役割もとても大きいといえます。

 まず、悪い知らせが伝えられる前段階では、患者さんと家族が予後をどう理解しているか、心配事は何か、万が一「悪い知らせ」を受けることになった場合はどのように伝えられたいと思っているかなど、患者さんと家族の認識や意向をできる限りつかんでおきます。病状の受け止め方を確認しておくことで、患者さんと家族がどんなふうに感じとっているのかを知る手立てにもなり、伝えられた後の反応をある程度予測することもできます。

告知の場にはできるかぎり同席する

 悪い知らせが伝えられる場には、看護師もできる限り同席するようにします。医師からどのように説明を受け、どんな表情をしたか、理解はできているかなどの反応をみます。そのうえで、その場の緊張を和らげる声かけや、ショックが大きいようであれば情緒的サポートをすることも重要です。

 場合によっては、患者さんや家族に質問を促したり、事前に聴いていた心配事や意向を医師に伝える代弁者になることも必要でしょう。

 悪い知らせが伝えられた直後は、黙ってただ寄り添うだけでも構いません。徐々に共感を示す声かけや、気持ちを理解するための声かけなどでサポートしながら、医師の説明が正しく理解できているかを確認し、補足情報を提供したり、必要時には医師から再度説明を受けられるよう調整していきます。

 一方、悪い知らせを患者さんがどう受け止めたかは医師も知りたいところです。その後の生活状況や、混乱、絶望、不安、怒り、否認などの心理的反応がどう出ているかなど、看護師だからキャッチできる情報を的確に伝える医師へのサポートも忘れてはいけない役割です。

 さらに、悪い知らせを受け入れていくプロセスで心理的反応が長引き、苦痛を伴っている場合は、精神科や緩和ケアと連携を図ることも視野に入れた支援をしていくようにします。

(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)

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