第132回 ホスピスケア研究会
- 公開日: 2012/9/24
放射線治療のセルフケア 大切なのは”支援”の視点
平成24年8月5日(日)に、がん研究会有明病院(東京都江東区)にて、第132回ホスピスケア研究会が開催されました。今回は、東邦大学医療センター大森病院でがん看護専門看護師として活躍する祖父江由紀子さんの講演「最新の放射線治療」をリポートします。
放射線治療のセルフケアにおいては、「指導ではなく、患者さんと看護師の立場が対等で、相互性の高い”支援”の視点が必要です」と話す祖父江さん。その際、日々の照射治療に対する患者さんの努力への配慮・気遣いを忘れないことが大切であると言います。
また、骨転移をした場合の放射線治療のゴールデンタイム(患者さんに麻痺が出現してから24~48時間以内)について、祖父江さんが実際に遭遇した事例を交えて紹介。麻痺の発見・治療が遅れれば、歩行維持が困難になる確率が高まるため、患者さんと接する機会が多く、最も身近な存在である看護師には、日々の傾聴から異変を素早く察知し、適切なケアへつなげることも求められると述べました。
講演ではほかに、「病院でX線検査を受けなければ、放射線被曝はしない?」「ポータブルX線の場合、どこまで逃げれば安全?」といった放射線の基礎知識をはじめ、「治療を休まないほうがよいなら、週末も毎日治療してくれる?」「胸に放射線をかけるって、髪の毛が抜けるの?」など、患者さんや家族からよくされる質問への適切な回答方法などもクイズ形式で出題。
「看護師が正しい知識を身に付けることが、患者さんの不安軽減につながる」とし、放射線治療ついて正しい理解を促しました。
【問い合わせ】
ホスピスケア研究会
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