半消化態栄養剤 「エネーボTM配合経腸用液」が発売
- 公開日: 2014/7/22
アボット ジャパン株式会社は、2014年5月30日に半消化態栄養剤「エネーボTM配合経腸用液」を発売しました。本剤は、医療用医薬品の半消化態栄養剤として15年ぶりの新製品です。
最大の特徴は、医薬品経腸栄養剤として国内初となる栄養成分を15種類(後述)配合していることで、患者のQOL向上の一助として注目を集めています。
効果・効能
一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する
栄養成分組成表
製品開発の背景
現在、日本国内においては高齢化が急速に進んでおり、2025年には65歳以上の高齢者が3割に達するといわれています。
2014年の診療報酬改定では、急性期病院の機能分化だけでなく、在宅医療の拡充にも重点がおかれ、地域包括的な医療体制が構築されつつあります。
この様な背景において、医薬品経腸栄養剤には侵襲時の代謝亢進に対応でき、かつ長期栄養管理が必要となる在宅医療にも適応できる製品が渇望されてきました。
アボット ジャパン株式会社「プレスリリース」
【参考】医薬品経腸栄養剤としては国内初となる栄養成分6種類(代表的な成分のみ記載)
- ●セレン
組織において抗酸化作用の役割を発揮する健康維持にはかかせない成分です。経腸栄養期間の長い症例では、「心筋細胞の編成や線維化による心機能の低下」「下肢の筋力低下や筋肉痛」「爪白色変化」などのセレン欠乏症による症状が報告されています - ●カルニチン
脂質代謝に関与する条件付き必須栄養素です。通常の食事に少量含有されており食物から摂取可能ですが、慢性疾患、外傷、熱傷などの患者で「高アンモニア脳症」「低ケトン性低血糖」「心筋症」などのカルニチン欠乏による症状が報告されています - ●フラクトオリゴ糖
腸内細菌叢を変えることにより整腸作用が期待できる成分です。長期の絶食後や抗菌薬投与後、すみやかに腸内細菌叢を回復・維持できることが報告されています - ●クロム
糖代謝に関連する微量元素です。クロムが添加されていない高カロリー輸液管理患者において「体重減少」「耐糖能低下」などのクロム欠乏症が報告されています - ●モリブデン
酵素(キサンチンオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼ及びアルデヒドオキシダーゼ)の構成要素で必須の微量元素です。モリブデンをほとんど含まない高カロリー輸液管理患者で「心拍数増加及び呼吸数増加」「頭痛」「夜盲」などのモリブデン欠乏症による症状が報告されています - ●タウリン
脂質の消化・吸収に関与している栄養素です。欠乏症の報告はなく、肝機能改善や心筋の興奮調節等の薬効で、国内で広く使用されています
商品詳細/問い合わせ先
アボット ジャパン株式会社
HP http://www.abbott.co.jp
ツイッター https://twitter.com/AbottNews