耐糖能異常をみるために必要な検査データって?
- 公開日: 2016/2/10
症状の鑑別に必要な検査値について、よくあるギモンに答えます。
Q. 耐糖能異常をみるために必要な検査データって?
A. 血糖値、HbA1c、75gブドウ糖負荷試験に注目!
耐糖能とは、上昇した血糖値を正常に戻す、あるいは血糖値を正常に保つ能力です。血糖値の恒常性維持には、膵臓から分泌されるインスリンが重要な働きをします。
そして、このインスリンの分泌量や反応、作用に問題が生じた病態が糖尿病であり、耐糖能異常と呼ばれるゆえんです。
耐糖能を調べる代表的な検査には、血糖値(随時または空腹時)、HbA1c、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)があります。
HbA1c
採血時の過去1~2カ月の平均血糖値を反映する、血糖コントロール状態の重要な指標になります。
OGTT(Oral Glucose Tolerance Test)
空腹時に口から(Oral)、75gのブドウ糖(Glucose)を含んだジュース(300kcal)を飲み、身体がその糖に対してどれだけ耐えられるか(Tolerance)を試験(Test)するものです。
ブドウ糖摂取後0分、30分、60分、90分、120分ごとに採血し、血液中の「血糖」と「インスリンの増加」を調べます。
両方を測定することで、膵臓の分泌能などもわかるので、血糖値やHbA1cでは確定できない軽度の耐糖能異常を調べるには最も鋭敏な検査といえます。
糖尿病型の判定基準
「空腹時126mg/dl以上」または「OGTT 2時間値200mg/dl以上」
※この検査は糖を負荷することで隠れている耐糖能異常を明らかにするために行うものなので、既に糖尿病であることが確定している人には行いません。現在糖尿病の疑いが否定できない場合に行います。
(『ナース専科マガジン』2013年8月号から改変利用)
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