中枢神経・運動系アセスメント―意識レベルの評価と脳幹の障害の評価
- 公開日: 2014/7/19
アセスメントは、患者さんとの会話やケアを通じて全身の状態に目を向け、五感をフルに活用することが大切です。ここでは系統別にフィジカルアセスメントのテクニックをまとめました。普段行っているアセスメントの流れと手技を再確認してみましょう。
中枢神経・運動系のフィジカルアセスメントの進め方
神経系のアセスメントは、身体症状から神経学的機能を評価することが主な方法です。観察の範囲は意識、表情、動きなど多方面にわたります。運動機能は、どの程度、機能が保たれているのかを確認することが大切です。関節可動域と筋力をアセスメントし、患者さんの日常生活が円滑にいくように支援します。
視診でここをCHECK!
- ●意識状態
- ●呼吸パターン
- ●顔つきや左右差
- ●眉間反射
- ●眼球運動
- ●瞳孔反射
- ●麻痺
- ●嚥下反射など
中枢神経・運動系のフィジカルアセスメントのコツ
テクニック 視診のコツ
■意識レベルの評価
意識レベルを測るには、ジャパン・コーマ・スケール(Japan Coma Scale: JCS)やグラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale:GCS)が用いられます。
■JCS(ジャパン・コーマ・スケール)
JCSは、覚醒するかどうかが評価のポイントです。刺激しなくても覚醒している状態を1桁で、呼びかけや痛みなどの刺激によって覚醒する状態を2桁で、刺激しても覚醒しない状態を3桁で示し、さらにそれらを3段階に分けた全9段階で評価します。
JCSは覚醒、つまり開眼するかどうかで評価するので、眠っているようにみえるときは、起こして評価することになります。起こすのがはばかられる場合でも、浅表性の呼吸や不規則なパターンの呼吸など呼吸状態の異常を少しでも感じたら、声を掛けて起こし、意識レベルを確認してください。
ジャパン・コーマ・スケール
山内豊明 解説:見る・聴く・触るを極める! 山内先生のフィジカルアセスメント技術編、p.97、エス・エム・エス、2014.
■GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)