【摂食・嚥下障害】アセスメントの3つのポイント
- 公開日: 2014/7/15
治療をスムーズに進めるため、あるいは安全・安楽に支援するために、高齢者特有の症状や機能低下のアセスメント方法を紹介します。今回は「摂食・嚥下障害」です。
1 日々のケアの中でも嚥下機能を観察する
摂食・嚥下障害は、高齢者に起こりがちです。日頃から注意する視点を持っていれば、日々のケアでも徴候に気付くことが可能です。
まずは日常の中で、患者さんの口の中が乾いていないかを観察しましょう。また、誰かと話しているときに唾液がダラッと出てくるようであれば、口が閉じられないということになり、「ゴクン」という飲み込みができないことがわかります。
本人と会話するときには、声の大きさや言葉の明瞭さ、鼻声・喘鳴の有無から、舌の動きや送り込み具合(嚥下筋の活動)、呼吸の様子をみることができます。
食事の場面では、いつまでも口の中に食物を入れていたり、こぼしたり、よくむせ込むことがあれば、嚥下反射の障害が疑われます。そのほか、顔面麻痺や咀嚼運動が低下している可能性があります。
口腔ケアを行うときは、患者さんの舌に触れ、その感覚や力、柔らかさなどを観察することで、食塊の送り込みがある程度評価できます。このような観察により、嚥下機能が低下していると思われる患者さんについては、スクリーニングテストを行います。さらに嚥下造影検査や嚥下内視鏡で確定診断を行います。
2 「改訂水飲みテスト」や「反復唾液嚥下テスト」で、嚥下機能を評価する
スクリーニングテストには、改訂水飲みテスト(MWST)や反復唾液嚥下テスト(RSST)などがあります。