IN/OUTバランスがわかると【腎不全】がわかる!
- 公開日: 2014/7/20
IN/OUTバランスに関係の深い疾患の診断や治療について、輸液の側面からみていきましょう。
疾患と輸液の関係を具体的にみることによって、IN/OUTバランスについてさらに理解を深めましょう。
腎不全の病態と輸液
腎不全には、急性腎不全と慢性腎不全があります。
最近では、それぞれ急性腎障害(傷害)(acutekidney injury:AKI) と慢性腎臓病(chronickidney disease:CKD)とも呼ばれています。
急性腎障害(AKI)
AKIは、普段腎機能障害がない人に発症し、ICUや救命救急センターでよく遭遇します。
原因としては、腎臓疾患以外にも、ショック、敗血症、薬剤性など、いろいろなものがあります。AKIは、管理に成功すれば数週間でよくなることが多いですが、よくならない場合、予後は非常に厳しいものとなります。したがってAKIの治療はとても重要です。
AKIでは、腎血流量を保つことが重要であり、十分な量の細胞外液を輸液して、循環血液量を落とさないよう治療します。輸液を入れても尿が出ず、利尿剤も効かない場合、肺水腫になり、浮腫も強くなることがあります。その場合は透析治療を考える必要があります。
慢性腎臓病(CKD)
CKDでは、徐々に腎機能が低下していき、老廃物が十分に排泄されず、体内の恒常性が保てなくなります。CKDの原因には、糖尿病性腎症、慢性腎炎、腎硬化症などがあります。