【看護師のマナー】第20回 手紙の書き方、贈り物・お見舞いのマナー
- 公開日: 2015/9/27
いきなり本題から入るのはタブー。手紙や文書には順序があります
手紙のマナー
手紙や文書はわかりやすく、簡潔に
病院の内外に関係なく、仕事のうえで報告などをするときの文書は、用件を正確、簡潔に伝えなければいけません。
いちばん大事なのは、あなたが何を言いたいのかが相手にハッキリと伝わることです。
そのためには、結論を冒頭に置き、次にその原因、経過を正確かつ客観的に、最後にあなたの意見でまとめるようにしましょう。
このとき、一文一文は短めに、わかりやすい言葉を使うのがポイント。一通り書いたら読み返して、相手にわかる内容か確認しましょう。
また、プライベートも含めて、大人の手紙にはルールがあります。
展開も決まっているので、いきなり本題から入ってはいけません。まずは、頭語→時候の挨拶の前文が入り、次に本題、末文で締めくくります。
■頭語
手紙の冒頭に使う、挨拶の意味で、相手に敬意を表す意味があります。
一番最後の結語と対になっているので、この組み合わせを間違えたら大変です。一般的には「拝啓」と「敬具」、また、略式なら「前略」、「草々」になります。初めて手紙を書く人には「初めてお手紙を差し上げます」と始めるのがよいでしょう。
■前文の基本パターン
「頭語→時候の挨拶」の後には、「ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と、先方の繁栄・盛業を祝福する言葉を続け、行を改めて「平素は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます」と前文を締めくくり、「さて……」と本文に入ります。
■末文の基本パターン
本文を書いたら、「今後ともなにとぞ一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます」と、将来の厚誼や指導を願って締めくくり、結語で終わります。
■時候のことば
正月:謹賀新年、賀正、明けましておめでとうございます、初春のみぎり
1月:睦月(むつき)厳寒の候、初春の候、厳しい寒さが続いております
2月:如月(きさらぎ)立春の候、余寒の候、立春とは名ばかりの寒さが続きます
3月:弥生(やよい)早春の候、春暖の折、ひと雨ごとに春らしく、ようやく春めいてきました
4月:卯月(うづき)仲春の候、陽春の候、春風がここちよいこの頃、若草萌える季節になりました
5月:皐月(さつき)新緑の候、若葉の季節、風薫るさわやかな季節になりました
6月:水無月(みなづき)初夏の候、梅雨の候、うっとうしい梅雨の季節となりました
7月:文月(ふみづき)盛夏の候、炎暑のみぎり、いよいよ本格的な夏をむかえ
8月:葉月(はづき)残暑の候、晩夏の候、残暑厳しい毎日が続いております
9月:長月(ながつき)初秋の候、さわやかな初秋の季節となりました、秋風の立つさわやかな今日この頃
10月:神無月(かんなづき)仲秋の候、菊薫る季節となり、秋たけなわの今日この頃
11月:霜月(しもつき)晩秋の候、向寒のみぎり、落ち葉舞う季節となりました
12月:師走(しわす)初冬の候、師走の候、本年もいよいよ押しせまりました
パソコンの文字が主流の現代ですが、心のこもった手書きの手紙はもらった相手も嬉しいものです。
さらに手紙を書く上での基本的なマナーをお伝えしましょう。
宛名を書くとき
何よりも読みやすく、丁寧に書きましょう。
たとえ、自分の字に自信がなくても、ゆっくり書くことが大切。読みやすさがいちばんです。
タテ書きの場合、住所は相手の宛名より一字程下げて書き始めましょう。
もちろん、相手の名前は、住所よりも大きな文字で。郵便番号もきちんと調べて、記入しましょう。
封筒の裏面には、自分の住所、名前を明記することも必要です。
封をする
友人や知人に出す私的な手紙の場合は、単純に糊づけすればいいのですが、公的な手紙の場合には、糊づけをした上に、「〆」か「封」という文字を、書きましょう。
これで、封をしたことになります。また、糊づけだけでは、万が一開いてしまう危険のあるものには、上からシールやテープを貼っておきましょう。
パソコンの文字
失礼にあたるわけではありませんが、目上の人に対しての手紙の場合、やはり直筆で書いたほうが、賢明でしょう。
パソコンの文字は、好ましくありません。文字に自信がなくても手書きをするほうがベター。
お願いや頼みごと、または詫び状なら、なおさらです。しっかり丁寧に、読みやすく、を心がけて。
折り方
大きさによってさまざまですが、3等分か4等分に折りたたむのが無難でしょう。
その場合は、便箋の角をそろえて、まっすぐ、きちんと。曲がっていると相手に失礼ですから、たたみ方には留意してください。
手紙文の基本的な組み立て方
贈り物のマナー
贈りっぱなし、もらいっぱなしは禁物。ルールをわきまえて
大人の世界では、冠婚葬祭や年中行事などで、贈り物をしたり、もらったりする機会が多々あります。
心を込めて贈り物をすることによって、相手との人間関係もスムーズにいくからです。
贈る物は、現金であれ品物であれ、相手に喜んでもらえれば何でもかまいません。
ただ、シーンによって贈り方(時期、のし、表書き)やお返しの仕方が違うのです。いくら贈り物やお返しをしても、このルールが守られていないと、あなたは常識はずれだと思われてしまいます。
主な行事でのお祝いとお返しの方法は以下のとおりです。
贈る時期とお返しの時期
■慶事
結婚祝:挙式1週間前くらい、挙式後1カ月くらい
出産祝:命名日(7日目)~宮参り(1カ月)前後、生後1カ月前後
初節句祝、七五三:半月前~当日、当日またはその後早めに
入学祝:決定後、早めに、入学後、早めに
卒業祝:決定後、早めに、基本的に不要
■弔事
供え物:通夜、葬儀または告別式当日に持参、当日一般会葬者に贈る(斎場供養)
■お中元・お歳暮
お中元:7月上旬~15日くらい
お歳暮:12月上旬~20日くらい
デパート発送のお中元・お歳暮は、事前に送り状で知らせておく
最近では職場によってそのあり方が見直されていますが、一般的に、日頃お世話になっている人には、感謝の気持ちを込めてお中元やお歳暮を贈ります。
本来なら持参して手渡すのが礼儀ですが、実際はデパートやお店から直接送ってもらうケースがほとんどです。
そういった場合は、品物が先方に届く前に、送り状を郵送しましょう。
送り状には、日頃お世話になっていることへのお礼や、お中元(お歳暮)を送ったということを書いておきましょう。
続いては、贈り物をするときのマナーを紹介します。
贈り物を渡す際①
謙遜して使う「つまらないものですが……」という言葉も、あまりよいイメージにならない場合もあります。
そういう場合は「これ、わたしの好物なのですが、ぜひ○○さんにも、食べていただきたくて」と言ったほうが、相手にもその気持ちが伝わると思いませんか?
若いうちは、肩ひじ張らず、気持ちを素直に伝えましょう。
贈り物を渡す際②
デパートなどの紙袋に入れたまま、贈り物を手渡すのはやめましょう。紙袋から品物を出して、が基本です。
品物が高額でなくても、きちんとラッピングをほどこしておけば「心のこもった贈り物」になります。
また、カードを添えるのも、いいでしょう。何気ないひとことでも、相手に気持ちが伝わって、いっそう喜ばれるはずです。
贈り物を渡す際③
友人、知人宅を訪問する際、贈り物を渡すタイミング、これも重要なポイントです。日本伝統の美意識、つまり奥ゆかしさからか、以前は、帰り際に渡すのがマナーとされてきました。
しかし、中身が食べ物なら、訪問したらすぐに渡したほうが自然です。
逆にあなたが来客から贈り物をちょうだいした場合、それを必ず食卓に出し、一緒にいただきましょう。
贈り物のタブー
社会人になると、友人や親戚の結婚式や就職、出産、新築祝いなど、お祝いごとに贈り物を用意する機会が増えてくるものです。
贈り物を用意するときに注意したいのが「相手の都合を考える」こと。
何でもあげれば、喜ばれるものではありません。また大きな絵画や大きな置物は困りもの。
趣味に合わない場合、かえって迷惑になってしまいますし、「こんなに高価なものをいただいて」と、相手に気を使わせてしまいます。もらう側に立って選ぶのがコツです。