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【連載】栄養療法のチカラ

頭頸部がんにおける栄養素のチカラ ―頭頸部外科医の視点から―

  • 公開日: 2015/10/18
  • 更新日: 2020/3/26

がん患者さんは、抗がん薬治療による体重減少・皮膚障害などの副作用が大きな問題となります。また、放射線療法によっても皮膚障害が現れます。がん治療における体重減少や皮膚障害へ適切に対策することで、患者さんのQOLや治療の継続率が高まり、予後を大きく改善します。

本記事では、セミナーの一部から、看護師が知っておくべき消化器がんや頭頸部がんにおける栄養療法と皮膚症状ケアについて解説します。


頭頸部がん治療では粘膜炎と皮膚炎がみられる

今井先生は、頭頸部がんの治療について、頭頸部がんの根治治療は手術と化学放射線療法(CCRT)であり、CCRTは放射線単独よりも治療効果が期待できる反面、粘膜炎(図1)や皮膚炎などの合併症も高いと説明します。

粘膜炎実物写真

図1 粘膜炎(咽頭部)

CCRTに伴う重症粘膜炎は低栄養によりリスクが高まり1)、CCRT中に20%体重が減ると感染率が50%近くに上がること2)、除脂肪体重(LBM)の減少はさまざまな合併症を引き起す3)という研究結果から、頭頸部がんにおいて栄養管理は重要と解説しました。

しかし、頭頸部がん患者さんはお酒やタバコが好きという人が多く、がんによる炎症・代謝異常が加わり、治療前から低栄養状態にある上にCCRTに伴う口腔咽頭粘膜炎のために、痛くて食べられなくなり、さらに栄養状態が悪化するそうです。

また放射線性皮膚炎には、放射線によりDNAが障害され正常な分裂を妨げる直接障害と、活性酸素種(ROS)による間接障害があります。放射線性皮膚炎には、「CTCAE v4.0」によるグレード評価(図2)が用いられており、CCRTに伴うグレード3以上の皮膚炎の発生率は23~25%と高頻度です。

グレード1
わずかな紅斑や 乾性落屑のある写真 わずかな紅斑や 乾性落屑
グレード2
中等度から高度の紅斑の写真 中等度から高度の紅斑;まだらな湿性落屑,ただしほとんどが皺や襞に限局している;中等度の浮腫
グレード3
皺や襞以外の部位の湿性落屑の写真 皺や襞以外の部位の湿性落屑;軽度の外傷や摩擦により出血する
グレード4
生命を脅かす;皮膚全層の壊死や潰瘍;病変部より自然に出血する;皮膚移植を要する
グレード5
死亡

図2 Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v4.0 (文献4)を基に作成)

2012年12月から頭頸部がんへの治療が承認された分子標的薬セツキシマブと放射線療法でも皮膚炎の副作用が見られるため、今井先生は「今後も放射線性皮膚炎管理の重要性が高まっている」と強調しました。

次のページは、「化学放射線療法による皮膚炎にはスキンケアと栄養療法が有効」

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