第2回 ストーマの種類―造設部位別ストーマ
- 公開日: 2016/1/7
消化器疾患や泌尿器疾患のためにストーマを造設された患者さんは、造設により自身のボディイメージが変容することから、不安やショックを受ける方が少なくありません。
本連載では、ストーマについての基礎知識とともに、ストーマの造設を受ける患者さんとその家族に対し、看護師が身体的・心理的・社会的な側面から行なうケアについて解説します。なお、ここでは、成人のストーマケアにのみ述べていきます。
【ストーマのまとめ記事】
■ストーマとは?ストーマの看護について
ストーマの種類
ストーマの種類は、期間や目的などで分類されます。
【期間・目的による分類】
*永久的ストーマ
*一時的ストーマ
【部位・臓器による分類】
*結腸ストーマ(colostomy)
-S状結腸ストーマ
-下行結腸ストーマ
-横行結腸ストーマ
-上行結腸ストーマ
*回腸ストーマ(ileostomy)
*その他
-空腸瘻
-食道瘻
*尿路ストーマ(urostomy)
-回腸導管
-尿管皮膚瘻
【開口部の数による分類】
*単孔式ストーマ
*双孔式ストーマ
*係蹄式ストーマ
*分離型ストーマ
-二連銃式ストーマ
-完全分離式ストーマ
【機能による分類】
*禁制(制御性)※1ストーマ
*非禁制(非制御性)ストーマ
※1:禁制とは、尿や便がもれないこと
ストーマの分類(ストーマリハビリテーション実践と理論, p.42 表4-5を一部改変)
期間・目的による分類
永久的ストーマと一時的ストーマとは?
永久的ストーマとは、一生涯、保有するストーマのことをいいます。直腸から肛門に及ぶ疾患で肛門管を摘出する場合や膀胱全摘術による尿路変更術が必要な場合に、永久的ストーマが造設されます。
その場合、単孔式ストーマとなります。また、腹腔内への悪性腫瘍の転移・腹膜播種により造設される双孔式ストーマでも永久ストーマになることがあります。消化管や尿路の閉塞に対して症状緩和目的に造設されたストーマを緩和ストーマといいます。
一方、一時的ストーマは、結腸の手術で腹腔内感染や腸管吻合部の安静のため、双孔式ストーマが造設されることが多いです。一定期間経過した後、ストーマを閉鎖し、自然肛門から排泄することができるようになります。