1. トップ
  2. 看護記事
  3. 診療科から探す
  4. 消化器科
  5. ストーマ
  6. ストーマをめぐる現状と問題

【連載】ストーマケア 皮膚トラブル解決法

ストーマをめぐる現状と問題

  • 公開日: 2017/7/31

ストーマ周囲の皮膚にトラブルが生じると、患者さんは不安とストレスにさらされます。またストーマ管理が困難となることで、QOLの低下につながることも考えられます。ここでは、皮膚トラブルを防ぐために看護師に求められる役割、ストーマ患者さんを取り巻く現状や問題について解説します。


▼ストーマについてまとめて読むならコチラ
ストーマとは? ストーマケアについて


ストーマの受容困難は造設前の不安が一因

 ストーマ造設にあたり、患者さんは大きな不安や多くの疑問を抱えています。ストーマへの理解が不十分で納得しないまま造設してしまうと、受容が困難になります。その結果、「ストーマをみたくない」「ストーマに触りたくない」といった理由からセルフケアを怠ってしまい、皮膚トラブルにつながることも考えられます。

 患者さんのセルフケア力を高めるためには、ストーマへの理解を深め、患者さんの不安を軽減する術前のかかわりが重要です。そこで、術前のオリエンテーションでは、繰り返し段階を踏んで説明を行い、不安をできる限り取り除いてストーマへの受容を促すとともに、退院後はセルフケアが必要であることも伝えましょう。

セルフケアを習得できない身体機能の低下の可能性

 入院中には、造設したストーマそのもののケアと管理のほかに、装具交換や日常生活上の注意など、セルフケア指導を行います。
特に高齢患者さんの場合、視力の衰えや手指の巧緻性の低下によってセルフケアがより困難になるため、看護師は入院中に患者さんのセルフケア力へのアセスメントを行い、患者さんに合った方法を指導する必要があります。正しい洗浄の方法や面板を愛護的に剥がす方法など、皮膚障害を予防するための指導も行います。

 また、患者さんがセルフケアに失敗したときは、落ち込む患者さんをフォローするとともに、正しいケアを習得してもらえるチャンスととらえて、指導していくことも大切です。そしてストーマケアに限りませんが、病棟内ではアセスメントの評価方法や指導内容を統一しておく必要があります。あわせて、患者さんへの指導の進捗についても共有するようにしましょう。

退院後の皮膚トラブルセルフケア指導不足が原因

 在院日数の短縮が進むことで、ストーマケアを必要とする患者さんに十分なセルフケア指導を実施できないケースが増えています。また、医師や施設により、大きさや形状が異なるストーマが作成され、管理を複雑にしていることもセルフケアを困難にしています。

 そのため、退院後に患者さんが臭いや便漏れ、皮膚障害などの問題に悩むことも少なくありません。それでもストーマ外来があれば退院後のフォローが可能です。しかし、手術のできる病院が必ずしもストーマ外来をもっているとは限らないのが現状です。
セルフケア不足で起こる問題のなかで多いのは皮膚障害です。ストーマ周囲の皮膚は、面板で覆うことで皮膚呼吸ができなくなり、トラブルが起こりやすい環境だといえます。そのうえに装具が合わない、皮膚の清潔保持ができないなど、セルフケア不足が重なることで皮膚障害リスクが高くなります。

医療者以外の介入により皮膚トラブルのリスクが増加

 最近では、厚生労働省がストーマの装具交換は医行為ではないという見解を示し、医療職者以外でも装具交換が可能となりました。これは“一人でストーマの管理ができなくなったらどうすればいいか”という患者さんの不安の声を反映してのことです。しかしながら、介護職者や家族の場合、適切なアセスメントやケアを行うのが難しく、皮膚障害などのトラブルが起こりやすくなる可能性があります。

 そこで、介護職者や家族はできるだけ早くに異常を発見し、何かあったときにはストーマ外来につなげるという体制をつくることが重要です。

 日本創傷・オストミー・失禁管理学会では、在宅からストーマ外来につなぐツールとして、「困った時のストーマ相談ガイド」と、ストーマ外来の受診を円滑にするための「ストーマ携行カード」を作成しています。http://www.jwocm.org/public/stoma/からダウンロード可能なので、患者さんや家族、介護職者に活用をお勧めするとよいかもしれません。

(ナース専科マガジン2015年10月号より転載)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

第26回日本小児ストーマ・排泄・創傷管理セミナー 開催のお知らせ

会期 2024年6月12日(水)、13日(木)、14日(金) 6月12日 13時開始、 6月14日 16時15分終了予定 研修内容 ストーマ術前術後のケア(低出生体重児を含む)、創傷ケア(褥瘡予防・局所ケア)、失禁ケア(尿・便失禁、自己導尿指導等) ※当セミナー

2024/3/1

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636