下剤が効かない便秘の患者さん、どうする?
- 公開日: 2016/7/12
ナース専科コミュニティ会員にアンケートを実施し、排便や排尿にかかわることで実際に困っていることを集め、皮膚・排泄ケア認定看護師に解説してもらいました。
下剤が効かない便秘の患者さん、どうする?
ガスや便がどこに貯留しているのかによって下剤は使い分けられている
まず、何日排便がないのか、腹痛などの症状はないか、腹部の音を聴取して腸の動きを確認します。ひどい便秘が疑われる場合は、医師に腹部X線検査について相談しましょう。ガスや便が滞っているのが小腸なのか大腸なのかによって処方される下剤が違います。また、小腸にガスや便が溜まっている場合は絶食にすることがあります。
ガスや便が小腸で滞っているなら小腸を刺激する薬を、大腸に溜まっているなら大腸を刺激する薬を、また便が硬くなる傾向がある場合は大腸における水分の吸収を抑制する緩下薬をというように、患者さんの状態に合わせた下剤を処方してもらいます。下剤の目的や作用機序について、正しく理解しておきましょう。下剤投与後は、腹部の音や腹痛などの症状、排ガス・排便状況を観察するとともに、再度腹部X線検査を行ってガスや便の状態の変化を確認します。
根本的に便秘が解消できるようなかかわりを
もともとの排便習慣、現在の食事の内容と摂取量、ADLなどを把握し、便秘の要因をアセスメントします。そもそも食事の摂取量が少ないと、便があまり作られず排便回数が減っている可能性も考えられます。また患者さんが便秘の状態をどう思っているのか、どうしたいと思っているのかを把握しておくことも大切です。
患者さんのADLが良好であれば、できるだけ離床して歩くようにしてもらうなど、便通を促すためのケアを行います。
摘便の適応なのかを確認しよう
直腸の触診によって便が直腸に降りてきているかどうかを確認します。いくら摘便をしても直腸に便がなければ、効果はありません。摘便の適応なのかどうかを確認しましょう。
また浣腸は、適応を十分に検討せずに安易に行うと危険です。特に大腸の動きが悪く大腸に便が溜まっている状態で浣腸をすると、大腸が強く刺激され、穿孔などを起こす危険性があります。
(ナース専科マガジン2015年12月号より転載)
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ナース専科2015年12月号