下痢が続いている患者さんの看護計画
- 公開日: 2023/11/26
経管栄養を開始後から下痢が生じている患者さんに関する看護計画
意識障害や嚥下機能低下など何らかの要因によって、経口から食事を摂取できない状況でも必要なカロリーや蛋白質などを摂取する必要があります。その際に経管栄養が活用されますが、副作用として下痢が生じる可能性があります。今回は経管栄養を開始してから下痢が生じているおむつを使用している患者さんに対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 経管栄養を行っている患者さんが下痢になる要因はいくつかある。経管栄養剤の注入の速度や種類が原因となることもあるため確認する。経管栄養以外が原因(薬剤の副作用など)で起こっていることもあるため全身状態も確認する。また、下痢になっているためIn-Outバランスなどもみておく。
援助計画 T-P 経管栄養剤の種類や注入速度を適切なものにする。下痢のケアを行う。おむつをしていると、おむつに付着した便が長時間皮膚に密着することで皮膚障害を起こすこともあるためスキンケアも行う。
教育計画 E-P 経管栄養の注入速度や種類の影響で下痢になっている場合は、患者さんや家族にその旨を説明する。おむつを使用しているため、排便ケアやスキンケアの必要性も伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
下痢が生じている
看護目標
下痢が起こらずに経管栄養を使用することができる
観察計画 O-P
腹部状態(腹部膨満感、腸蠕動音など)
便の性状、回数、色など
経管栄養の投与量、投与速度、種類
In-Outバランス、体重の推移
皮膚の状態
褥瘡の有無、リスク因子の把握
現在のADL
食事や状況
薬剤の使用状況
検査データ(TP、Alb、Crなど)
画像データ(胸部XP、CTなど)
援助計画 T-P
経管栄養の投与速度を適切に管理する
現在の状態に合わせた経管栄養の種類を検討する
排泄環境を整える
皮膚の状態や排泄状況に応じた清潔ケアの介入を行う
体型や排泄状況に応じたおむつの選択を考慮する
スタンダードプリコーションを徹底する
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
必要に応じて患者や家族へ経管栄養の必要性を説明する
必要に応じて患者や家族へ排便の管理が必要なことを説明する
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