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【もっと知ってほしい、 骨転移のこと】 知って変えよう! 患者さんのQOLを高める 骨転移のマネジメント【PR】

  • 公開日: 2017/3/10
  • 更新日: 2020/3/26
  • # 注目ピックアップ
  • # がんの検査・治療全般
  • # がんの疼痛ケア・コントロール

共催:NPO法人キャンサーネットジャパン、バイエル薬品株式会社


患者さんのQOLを保つために、骨転移のマネジメントとともに早期発見も重要です。
2016年12月11日に開催されたセミナーでは、がんの骨転移について、
患者さんの一番近くにいる看護師にできることについて考える機会となりました。
次ページより、そのエッセンスをレポートします。


がんの骨転移は、がん罹患患者さんの10%に起きていると考えられます。
とくに前立腺がんでは、亡くなった方の85%に骨転移があったとの報告*1もあります。
患者さんのQOLを保つために、骨転移のマネジメントとともに早期発見も重要です。
2016年12月11日に開催されたセミナーでは、がんの骨転移について、患者さんの一番近くにいる看護師にできることについて考える機会となりました。
今回は、そのエッセンスをレポートします。

*1 森脇昭介:骨転移の病理—基礎と臨床のはざまで, 杏林書院, 2007

<当日の模様はウェブサイトの医療者向けページ「学会・講演会」メニューから動画で視聴できます>


会場
セミナー当日は骨転移に高い関心をもつ看護師が集まった

【講演1】骨転移の診断と治療 講師:篠田 裕介さん

骨転移診療の目標は、骨折や麻痺によるADL(activities of daily living:日常生活動作)低下の予防とともに、運動機能を維持することです。治療は、薬物療法、放射線治療、手術治療を組み合わせて行います。

薬物療法では、原発がんそのものへの治療と疼痛コントロールに加え、骨の破壊を抑制する骨修飾薬があります。骨修飾薬は、SRE(skeletal related event:骨関連事象、図1)の発生を抑制する作用があります。放射線治療については吉村先生の講義を参考にしてください。

四肢長管骨骨転移に対しては、骨折手術や、腫瘍切除+腫瘍用人工関節による再建などを行います。脊椎転移に対しては、不安定性に対する固定手術、脊髄圧迫の除圧手術や、その組み合わせの手術などがあります。骨転移の診療には、多面的アプローチが求められるため、診療科間、職種間の連携が必要です。また、骨転移の症例をチームとして把握し、症状が出現する前の早期から積極的に対応することでADLを維持し、PS(performance status)*2を良好に保つことがQOLの維持のみならず、治療の継続ひいては延命につながります。そこで私の病院では、2012年に「骨転移キャンサーボード」を立ち上げ、院内の連携体制を確立しました。

近年、診療技術の向上により、がんの治療成績は大きく改善し、骨転移をもちながら療養を続けるがん患者さんも多くなってきました。そこで骨転移があってもがん患者さんがADLを保ち、最期まで歩けるように診療することがますます重要になってきています。

整形外科医は運動器の専門家であり、骨折や麻痺のリスクの評価を受けるだけでも大きな意味があります。生活に必要な機能をできるだけ維持し、安全に動けるよう支援するために、ぜひ整形外科医をうまく活用してください。

SRE

*2 患者さんの日常生活の制限の程度を示す、全身状態の指標の1つ

【講演2】骨転移の早期発見の重要性と治療 講師:吉村 真奈さん

骨転移の疼痛に対するオピオイドによるコントロールが不良で、歩行が困難であった50歳代の乳がん患者さんに対し、放射線治療を行ったところ、疼痛が軽減し歩行も可能になった事例があります。また、腫瘍のタイプによっては、痛みがないまま突然麻痺になることがあり、麻痺が出現する前の早期対応が重要です。このように適切な時期に治療的介入を行うことが重要で、細やかに症状を把握するためには看護師の力が不可欠です。

骨転移の診断には、レントゲンやCT、MRI、骨シンチ等の画像が用いられますが、骨転移には原発部位によって複数の型があり、それぞれの検査に得意・不得意があります。疼痛のある患者さんには、検査が簡便であることも大切です。

骨転移に対する放射線治療は、体外から放射線を当てる外照射と、放射性医薬品を体内に投与し、腫瘍に直接作用させる内照射(内用療法)があります。治療の目的は、①疼痛緩和、②脊髄圧迫症状の回避、③骨の再石灰化の3つで、骨転移に対する内照射(内用療法)として、疼痛緩和目的で塩化ストロンチウム-89、とくに前立腺がんの骨転移には生存期間延長の目的で塩化ラジウム-223を使いますが、内照射治療(内用療法)ができる施設は設備の都合上、まだ限られています*3。

患者さん自身が疼痛は治療の対象ではない、または我慢するべきものと考えているために、医師には痛みを訴えてくれないことがあります。患者さんと密接に接しており痛みの情報をキャッチしやすい看護師には、患者さん自身による痛みの評価方法を指導(図2)するとともに、痛みのアセスメントを行い、医師に情報を伝えてくれるよう期待しています。

Pain treatment

*3 塩化ラジウム-223の導入施設はウェブサイトより検索できる

【講演3】骨転移の早期発見とマネジメントに看護師ができること 講師:牧 克仁さん

私は緩和ケアを提供する看護師として、骨転移の看護にあたっては、患者さんのQOLにフォーカスし、(1)患者さんの生活や生きる価値観、(2)個別の生活スタイルや仕事に最低限必要なADLの範囲、(3)患者さんとともに考える、の3点について常に意識しています。

これには多職種との連携が不可欠で、看護師は連携のコーディネートを担う重要なポジションにあります。看護師は、患者さんの症状だけでなく、それが生活にもたらす影響も考慮し、全人的なアセスメントをすることができます。また、医学的視点から、痛みの状況や原因を理解し、患者さんとともに、症状緩和のためにできることを一緒に考えていきます。

患者さんは、痛みを感じることがあっても、必ずしも骨転移と関連づけて考えず、医療従事者に訴えないことがあり、適切な医療介入が遅れることがあります。早期に必要な介入をするためには、患者さんの状態と理解度にあわせて、骨転移と症状(痛みや痺れ等)の関係について説明しておくことも大事です。また、外来等の短い接点でも、患者さんが発するキーワード(図3)に注意し、検査を勧めるなど早期介入につなげることも大切です。

keyword

【講演4】がんの骨転移と向き合うがん患者が期待すること 講師:川﨑 陽二さん

私は今から5年前の53歳のときに、前立腺がんが進行し多発骨転移がある状況で診断を受けました。診断前から腰の痛みがありましたが、仕事が介護職であったため、職業的なものか年齢的なものであると考え、がんとは思いませんでした。また、診断を受けたあとも腰痛と前立腺がんや骨転移との関係はよくわかりませんでした。もっと早く気づいていれば症状が少しは軽く済んだかもしれません。

骨転移の痛みは大変つらいもので、昼夜なく動いても寝ていても痛みがあり、家の物にあたって壊したり、家族に迷惑をかけるほどでした。現在は治療のおかげでコントロールできており、生活の質は保てているものの、持続した腰痛や、夜間の痺れや疼き、日中の突然の痛みに悩まされることもあります。

骨転移は痛みや活動制限を伴うため、日常生活への影響も大きく、ソーシャルワーカーや臨床心理士、そして家族のサポートも必要です。看護師には、生活に密着した患者の訴えに耳を傾け、必要なサポートをコーディネートする役割を担っていただけると心強いです。


【Q&Aセッション】骨転移を早期発見し、マネジメントするために 司会:川上 祥子さん

参加者から寄せられた質問に講師が回答し、より良い骨転移の看護のヒントを探る討議が行われました。Q&Aの内容をピックアップしてお伝えします。(敬称略)

Q 骨転移による痛みと通常の腰痛等をどのように見分けたらよいですか?

A 篠田 がんによる痛みは一時的なものでなく、治療しているにもかかわらず、徐々に悪化していくことが多いです。正確に診断するためには、整形外科医による診察と画像検査が必要です。

Q 痛みがあっても医師に訴えない患者さんが35%いるという調査結果*4もありますが、骨転移の早期発見のために看護師ができることは何でしょうか?

A 牧 骨転移を来しやすいがん種のがん患者さんをよく観察し、痛みのサインをキャッチして医師への報告を促すことが大切です。また、普段から患者さん自身が痛みについて客観的に評価し、訴えられるような支援を行うことも看護師の役目です。

Q 在宅患者でも内照射(内用療法)の治療は可能ですか?

A 吉村 核医学の施設があり、所定の講習会に参加している病院の外来で受けることができます。

Q 骨転移と向き合う患者さんの1人として、看護師に望むことは何ですか?

A 川﨑 骨折予防に関する最新の情報を教えてほしいです。また、看護師とのかかわりで一番つらかったのは、もう頑張ることができないくらい苦しいとき、「大丈夫ですか」「頑張ってね」と言われてしまうことです。言葉を返すことができませんでした。逆に嬉しかったのは、つらいときにそっとそばにいて肩に手を置いてくれたこと。心が伝わってきました。心に問いかける天使でいてほしいと思います。


参加者からは、「骨転移に関して学ぶ機会があまりなく、大変参考になった」との声が多く上がっていました。また、実際の患者さんから体験談を聞くことが貴重な機会となり、明日からの骨転移の看護に活かせるヒントがたくさん詰まったセミナーとなりました。

*4 バイエル薬品株式会社2016年調査

QA
会場から寄せられた質問に回答する講師たちと司会の川上さん


L.JP.MAC.OH.02.2017.2033


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