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【連載】山内先生の公開カンファランス

第42回 胸部大動脈瘤の手術のために入院してきた70歳代の患者さん

  • 公開日: 2017/10/11

今月の事例
[Hさん から提供された事例]
胸部大動脈瘤の手術後、HCUに移りましたが、もともと結核の既往があることから呼吸機能がよくなかったことと、夜間に自己排痰が不十分で、SpO2が低下することから、人工呼吸器を早期に離脱することができませんでした。このような状況から挿管期間が長期になることが予測されたため、気管切開を行いました。
その後、SpO2は特に低い数値を示さず、その他のバイタルサインにも異常がないことから、日中だけ人工呼吸器を外したところ、患者さんが息苦しさを訴え興奮してしまい、その結果、脈拍が上昇し、SpO2の低下が見られました。そのため、実際の呼吸評価が難しくなり、離脱が進みませんでした。

→こんなとき、あなたならどうする?


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みんなの回答

2017年8月にナース専科『コミュニティ』会員にアンケートを実施。回答者数は31人。

Q1. どのような条件であれば、この患者さんが人工呼吸器の離脱を進められると考えられますか。

・日中外すなら、まずは患者さんと目標を決めてみる(はじめは10分とか)。人工呼吸器の設定の変更(まだされてないなら)(ぽさん)

・バイタルサインが問題ないのなら精神面での安定を図るしかなさそうですが……(設定さんさん)

・自発呼吸をサポートしてくれるモードで、その中でもAPRV*がいいと思う。また、CPAP**にして疲れたら、APRVに戻すのも、いいかもしれない(Mさん)

・息苦しさがない、SpO2が安定する、HRの変動がない、CO2が溜まらない(ななさん)

・車椅子に座って横隔膜を下げると呼吸がしやすくなり、散歩などに出かけると患者さんも興奮せずに穏やかな呼吸ができるかも。無理であればベッドの挙上なども有効かもしれません(チョコさん)

・日中はCPAPとか自発を誘導・尊重するサポート圧、夜間は眠剤で鎮静させてASV***とかフルサポート圧に調整し、まずは昼夜でのバランス&生活リズムをつけ、酷なようですが「慣れてもらう」しかないですよね。起床後はベッドアップしてウォーミングアップを経て、人員が多い時間から人工呼吸器のモードを変更してみるのはどうでしょうか。それに慣れてきたら、日中はベンチュリーをTピースで吹き流しにして、少しずつ流量酸素度を下げていく。いきなり外したら苦しいし、パニックで呼吸苦・不穏は想定内かと思います(angelさん)

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・本人が理解して離脱に前向きであること(りさん)

・患者さんの息苦しさがなくなり、SpO2が下がらなくなったら(みまさん)

・ウィーニング基準を満たす(yuiさん)

・自己排痰ができ、酸素飽和度が安定したら(tさん)

*APRV:持続的に高いPEEPをかけている状態で、一次的にPEEPを0にして、圧を開放するモード、**CPAP:自発呼吸に
PEEP(呼気終末陽圧)を付加した人工呼吸器のモード、***ASV:二相式気道陽圧呼吸療法のこと

Q2.事例の患者さんの人工呼吸器離脱のために必要なケアは、どんなものが考えられるでしょうか。 Q3.Q2で挙げたケアを実施する際に、どのような工夫をしますか。 ニックネーム
バイタルサインの観察、呼吸、循環の観察と確認、患者さんの精神的なケア(不安症状の確認)、吸引などの排痰ケア できるだけ落ち着いた状況で行えるような声かけを行う。いざというときのために吸引などは事前に準備しておく ぽさん
実際に測定数値を一緒に確認しながら焦らず徐々に離脱時間を伸ばしていく。当たり前か 工夫と聞かれても相手次第ですから。無理な人は無理ですし 設定さんさん
呼吸器関連の肺炎にならないように、吸引して気道浄化を図る。気管切開部からのリークが起こらないように、人工呼吸器の蛇腹の位置を調整する。効果的に酸素を取り込めるように、座位の時間を増やしていく 患者さんに、人工呼吸器を離脱するために行うことを説明し、協力を得る。PTさんと一緒に行う。疲れたら、すぐに教えてもらって、無理せずにリハビリを行っていく Mさん
呼吸リハ、カプノモニターの装着、吸入、吸引、精神的な安定 座位保持、家族に面会を依頼 ななさん
心のケア、身体の挙上、人工呼吸器を外しても大丈夫だということの説明 無理強いせず、患者さんに納得してもらえるまで説明し、援助する チョコさん
生活リズム・覚醒リズムの再構築。スタッフの人工呼吸器モードの知識獲得。主治医を巻き込んで、離脱を目指したモードの選択と評価を行う 血液ガス分析・血液検査・単純撮影&バイタルや一般状態・尿量を評価。日中にモード変更、急変などがあると困るので、かならず主治医が在棟・在院していること angelさん

次ページは山内先生の解説です。

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