1. トップ
  2. 看護記事
  3. 看護クイズ・読み物
  4. 書籍紹介
  5. 輸液管理をステップアップさせるおすすめ書籍3選

【連載】ナースの本棚

輸液管理をステップアップさせるおすすめ書籍3選

  • 公開日: 2018/11/15

 輸液は看護師にとって最もなじみのある日常ケアの1つです。しかし、侵襲性が高く、一歩間違えると患者さんの生命に重大な影響を与える危険な業務ともいえます。日常ケアであるからこそ、インシデントやアクシデントの可能性もたくさんあります。みなさんのなかにも、漠然と苦手意識をもっている人やすでにヒヤリとする経験をした人もいるのではないでしょうか?

 そこで今回は、「輸液管理の基本をイチから作りたい」、あるいは「状態の変化する患者さんに対して、この輸液でよいのか、不足や間違っていることはないか振り返りたい」、さらに「実践力を身につけ、輸液への理解をもっと深めたい」といった、個々人に合わせて輸液管理をステップアップさせるための書籍を紹介します。


『看護の現場ですぐに役立つ「輸液」のキホン』

輸液の超入門書

 侵襲性が高く、患者さんが不安や苦痛を感じやすい輸液。本書は初心者に向けて、必要な器具、穿刺、投与法、輸液製剤の特徴など、実践技術についての基礎知識がまとめられています。実物の写真やイラストも豊富に使用され、手技のイメージがつかみやすいように工夫されています。さらに、熱中症、術後、小児の場合など、臨床でよく見かける10症例を取り上げ、各症例で医師が何を考え、どのように輸液を選択しているかが詳述されており、処方の根拠を整理しながら学ぶことができます。ゼロから輸液の基礎を作りたい初学者はもちろん、看護技術の指導者にもおすすめの書です。

『看護の現場ですぐに役立つ 「輸液」のキホン』
著:佐藤弘明
発行:秀和システム
定価:1,500円(税別)
判型:B5判
ページ数:148ページ


『看護に活かせる輸液ノート』

輸液のすべてを網羅的に学べる本

 輸液は、看護業務のなかでも頻度が高く、どの診療科でも必要とされている一方、病棟の日常では、「なんとなく」な輸液管理が行われてはいないでしょうか。本書は、臨床現場で活躍するNST専任看護師が、水や電解質といった基礎知識からインシデントや点滴投与時に注意したい点に至るまで、看護師が知っておきたい輸液管理の知識について解説しています。病態によって異なる輸液管理では、何を評価し、どんな輸液が必要か、どのような対応をすればよいかがわかりやすく書かれており、実践に即した内容です。読み終えるころには、処方に従って流れのままに輸液を行うのではなく、なぜこの患者さんにこの輸液を行うのかがわかるようになります。普段の輸液について振り返り、改善点を見つけたい、確信を得たいという人に役立ちます。

 

『看護に活かせる輸液ノート』
著:渡辺朔太郎
発行:照林社
定価:1,800円(税別)
判型:B5判
ページ数:120ページ


『輸液ができる、好きになる 考え方がわかるQ&Aと処方計算ツールで実践力アップ』

輸液の概念をマスター

 日ごろ輸液を行うなかで、「どの数式を使えば……」や「計算を間違ってはいけない」と不安や焦りを覚えた経験のある人は多いのではないでしょうか。本書は、輸液を理解するうえで必須な知識や処方の根拠をQ&A形式で解説。輸液の計算にまつわる知識も充実しています。収載されている「輸液シート」には、輸液の処方に必要な計算式が示され、無料でダウンロードできる計算ソフト「ラクラク輸液計算 アシカルくんTM」と対応しており、計算結果を確かめながら、読み進めることで学びが深まります。各部末の演習問題では、一歩踏み込んだ解説が加えられ、繰り返し解くことで、臨床での応用力が身につきます。輸液の基本にさらに磨きをかけたい人、不安を自信に変えたい人にもおすすめしたい1冊です。

『輸液ができる、好きになる 考え方がわかるQ&Aと処方計算ツールで実践力アップ』
著:今井裕一
発行:羊土社
定価:3,200円(税別)
判型:A5判
ページ数:254ページ

カテゴリの新着記事

ポジショニングについてしっかりと学べる1冊

豊富な図で基礎から実践まで学べる  本書はセミナーや学会などで長年ポジショニングにかかわってきた田中マキ子先生が監修したポジショニングの基礎から実践まで必要な知識がまとめられている1冊です。改訂第2版となる今回は、スモールチェンジの効果など最新の知見も追加されています。

2024/2/7

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
4位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
7位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
8位

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防な

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。 術前の検査  術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を...

249741
9位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
10位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949