【連載】いまさら聞けない 脳神経外科ドレナージのしくみと管理の基本
ドレナージの種類と適応|脳神経外科でドレナージが必要な理由②
- 公開日: 2019/4/28
治療中や術後などに留置される脳神経外科領域のドレーンには、守らなければならない管理上の注意点がいくつかあります。それを理解するために、まずはドレナージのしくみと種類、そして3つのキーワードをもとにドレーン管理の基本について解説します。
ドレナージの種類と適応-脳神経外科ドレナージの特徴を知ろう!-
[開放式と閉鎖式の違い]
ドレナージには、開放式と閉鎖式の2種類があります(表)。「開放か、閉鎖か」というのは、排出液が大気圧に対して開放されているのか(大気に触れている)、閉鎖されているのか(大気に触れていない)という違いによります。また、圧をかけて引くのか(陰圧)、外耳孔の高さで自然にまかせるのか(自然圧)、あるいは設定した圧で調節するのかなど、圧のかけ具合にも違いがあります。
開放式ドレナージの場合、大気圧と交通しているので末梢側のチューブ先端の高さを上下に調節することによって、頭蓋内圧を思い通りの設定圧にコントロールすることができます。言い換えれば、体内に留置したチューブ先端の位置と体外の先端の位置との高低差がそのまま設定圧となります。この方法は、一定の圧範囲で維持されなければならない頭蓋内環境にとっては、非常に理にかなっています。ただ、大気に触れているので、常に感染のリスクがあります。開放式ドレナージの具体例としては、脳室ドレナージ、脳槽ドレナージ、スパイナルドレナージがあります。