高齢者の心身と暮らしを見据えた看護援助とは?
- 公開日: 2019/3/14
2025年には高齢化率が約30%に達することが見込まれ、世界に類をみない超高齢社会を迎えようとしている日本。高齢者は、加齢により身体機能や認知機能の低下が進み、健康障害や疾患を生じやすくなります。自立した生活が難しくなった高齢者一人ひとりに対して最善の援助を行うためには、高齢者の身体の特徴を把握することはもちろん、どのような視点や姿勢が求められるのでしょうか。
今回は、高齢者看護の基本とともに、高齢者の罹患が著しい認知症、広がる療養環境と看取りをテーマに、看護援助の実践に役立つ書籍を紹介します。
『カラー写真で学ぶ 高齢者の看護技術 第2版』
高齢者看護のポイントやプロセスをビジュアル解説!
本書は、高齢者の食事、排泄、清潔、更衣、移動にかかわる日常生活援助技術について、基本的な考え方や技術をわかりやすく解説しています。さらに第2版では、口腔ケアの章やベッド上の熱布清拭の項目が新たに設けられました。臨床経験の豊富な看護師が行う看護技術が多数のカラー写真で示され、イメージや理解が進みます。高齢者看護の基本を説いている第1章では、高齢者にとって心地よさや安心が感じられる看護援助の実践には、一人ひとりの「個別性」、すなわち、これまでの生活習慣、既往、暮らしてきた環境などに注目することが重要だと述べられています。高齢者看護にかかわっている人にはもちろん、臨床での実際例を学ぶことができるため、看護学生や新人看護師にも好適です。
『カラー写真で学ぶ 高齢者の看護技術 第2版』
編:大塚眞理子
発行:医歯薬出版
定価:2,400円(税別)
判型:B5判
ページ数:152ページ
『認知症患者さんの病態別食支援 安全に最期まで食べるための道標』
四大認知症の特徴を知って最適なケアにつなげよう!
認知症の嚥下障害の症状は、原因疾患・病態によって異なるため、一律のケアではうまくいきません。本書では、四大認知症であるアルツハイマー型、レビー小体型、血管性、前頭側頭型について、病態、嚥下や食に関する主な症状、食支援の実際について、臨床例を挙げながら詳しく解説しています。スムーズに進みにくい食事をどのようにサポートしていけばよいかがわかるようになること請け合いです。摂食嚥下リハビリテーションや食支援に取り組むうえで重要な誤嚥、誤嚥性肺炎や薬剤の影響、そして終末期の食支援についても取り上げています。認知症高齢者の食に関する支援について、苦慮している人、自信をもちたい人にぜひ手にとってほしい1冊です。
『認知症患者さんの病態別食支援 安全に最期まで食べるための道標』
著:野原幹司
発行:メディカ出版
定価:2,600円(税別)
判型:B5判
ページ数:145ページ
『病院からはじまる在宅看取りケア 地域包括ケアシステムのなかで病院・在宅・施設をつなぐ』
在宅・施設の看取りケア実践書の決定版
高齢者の約8割が病院で亡くなっている現在の日本。2025年には団塊の世代が後期高齢者となることから、多死社会の到来が見込まれています。本書は、病院から在宅・施設へと移行しつつある看取りの場において最前線で取り組んでいる実践者が執筆。さまざまな看取りの場で実際に提供されているケアを、基礎知識に加え、具体的な事例展開を交えて解説しています。医療職の役割や連携、意思決定支援、入退院支援、家族支援、臨死期のケア、看取り後のケアに至るまで、多様化する看取りのかたちを実現し、支えるために必要な知識や技術が満載です。在宅・施設での看取りケア携わる人に必読の書です。
『病院からはじまる在宅看取りケア 地域包括ケアシステムのなかで病院・在宅・施設をつなぐ』
編著:福井小紀子
発行:メヂカルフレンド社
定価:3,700円(税別)
判型:B5判
ページ数:340ページ