1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 老年看護
  5. 高齢者ケア・認知症ケアは病棟師長(看護管理者)で決まる!~みかたを変える看護管理~

【連載】「できる」に注目する高齢者看護

高齢者ケア・認知症ケアは病棟師長(看護管理者)で決まる!~みかたを変える看護管理~

  • 公開日: 2020/2/19

※「2.病棟師長が認知症の知識をもつ」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。


 病棟師長の皆さんは、認知症ケアについてどのくらい関心をもっているでしょうか。自分の親だったらどのような認知症ケアを受けてほしいか、自分だったらどのような認知症ケアを受けたいか、自分の病棟の認知症ケアを受けたいと思うかなど、考えてみてはいかがでしょうか。

 病棟の認知症ケアの質は、病棟師長が認知症ケアをどのように理解し、病棟で推進していこうとしているかに左右されます。つまり、病棟師長の考えにスタッフも影響を受けるのです。さまざまな認知症ケア環境のなかで、認知症患者(以下、患者)の対応にジレンマを感じているスタッフもいます。スタッフは、患者にみられる認知症の中核症状・BPSD(行動・心理症状)をマイナスイメージで捉え、ケアの困難さ・負担感を感じ、患者の苦痛に気づけないまま、目の前で起こっている行動を抑えるような対応になりがちです。

 症状の軽減を図るための薬物療法で、生活の質(QOL)の低下を招いているケースもあります。中には、スタッフが不適切な対応だと気づいていても、ケアの改善に向けて一歩を踏み出せずにいることもあります。スタッフが不適切であるという思いをもちながらケアをすることがないように認知症ケアを改善することが、患者もスタッフもハッピーになることにつながるのではないでしょうか。


1.病棟師長が病院の理念をもとに病棟を牽引する

 病棟では病院の理念をもとに目標を立案し、運営しています。当院の場合、理念は「認知症ケアの基本」であることをスタッフに周知し、毎年病棟の目標を立案、具体策を考えています。このとき、チームリーダー(病棟におけるリーダー的立場にある看護師)が中心となって進めますが、必ず「患者中心であること」という視点を忘れないようにします。そして、病棟全体や各チームの状況、スタッフのケアの傾向や問題点、患者家族の要望などを踏まえ、考えられるようにスタッフを指導します。

 さらに、病院の質管理のさまざまなデータから、客観的に自病棟をみること、他病棟との違いなどにも目を向けながら考えられるようにすることもチームリーダーには必要な力です。病棟師長はチームリーダーがしっかりとチーム運営をしていける力を高めていけるよう意図的にかかわりをもち指導していきます。そして、どのような理念や目標のもとで病棟を運営し、具体的にどのように進めながら病棟づくりをするのか、病棟師長が目指す病棟像をしっかりと描きながら、チームリーダーやスタッフを牽引していかなければなりません。

2.病棟師長が認知症の知識をもつ

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

トイレ誘導に関する看護計画|誤嚥性肺炎治療中の認知症のある患者さん

誤嚥性肺炎の治療中にトイレ誘導を行う認知症がある患者さんに関する看護計画  認知症は認知機能の低下に加えて活動性の低下や嚥下機能低下といった日常生活に支障をきたす症状も見られる疾患で、血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型、前頭側頭型といった原因があります。今回は認知症の

2023/12/22

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636