1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 老年看護
  5. いつでも・どこでも・誰でもレクチャー~認知症対応力向上を目指した院内教育ガイドの作成~

【連載】「できる」に注目する高齢者看護

いつでも・どこでも・誰でもレクチャー~認知症対応力向上を目指した院内教育ガイドの作成~

  • 公開日: 2020/3/18

※「2.院内教育ガイドの作成」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。

1.認知症対応力向上を目指した院内教育ガイド作成の経緯

 日本の後期高齢者人口、認知症高齢者人口が急増するなかで、療養場所を問わず、看護師には、加齢に伴う認知機能障害や認知症について知識をもち、適切なケアを行うこと、介護者への支援や指導的役割を担うことが求められています。

 当院は、入院患者の平均年齢が約89歳、9割が認知症を有する療養病床です。「豊かな最晩年の創造」を理念に掲げ、「苦痛がない」「惨めでない」「大切にされている」ことを尊厳の保持と考えて理念を具現化するケアを行ってきました。

 ケアの前には了承を得、ケア後は心地よさを確認する、転倒のリスクはあっても尊厳を保つことを考え、身体拘束はせずに本人の意思を尊重しつつ事故予防するなどです。当事者主体のケアの遂行は認知症ケアにおいて基盤となるものです。

 そして、さらなる認知症対応力の向上、すなわち認知症高齢者の生活の質(QOL)の維持・向上のためには、エビデンスに基づいた認知症ケアの実践が課題です。当院では、年間を通じて開催している生活援助技術講座において、数年前から認知症の症状やケアについても盛り込み普及に努めてきました。2016年からは認知症対応力向上研修を開催し、認知症およびそのケアに関する知識の講義、認知症の症状を視覚化して解説するなどの工夫も行っています。

 しかし、研修直後には「認知症の知識が得られた」「認知症患者のケアに活かしたい」という意見が聞かれるものの、実際のケア場面では、認知症の中核症状や患者背景を考慮せず、安易に「大丈夫ですよ」と返答するなど、知識と実践が乖離している状況が散見されました。そのため、現場の看護師が習得した認知症の知識をもとに、科学的根拠に基づいたケアを実践できるようにする必要がありました。

 そのため、同年に「認知症ケアマニュアル(以下、マニュアル)」を改訂しました。しかし、マニュアルは作成しただけでは活用されません。そこで、認知症の基本的知識をもち、根拠に基づいた認知症ケアを実践できる看護師を育成する方法として、マニュアルに基づいた院内教育ガイドの作成を試みました。作成は、老人看護専門看護師と認知症看護認定看護師を含むリンクナースが中心となって行いました。

2.院内教育ガイドの作成

>> 続きを読む

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

高齢者のスキンケア|皮膚の特徴、トラブル発生のリスクとスキンケア【PR】

高齢者の皮膚は加齢に伴う変化などにより、スキントラブル発生のリスクが高くなります。この記事ではどのようなスキントラブルのリスクがあるのか、スキンケアをどう行うとよいのかを解説します。 高齢者の皮膚の特徴  高齢者の皮膚は、加齢に伴い菲薄化や扁平化、張力の低下、乾燥(ド

2022/1/25

アクセスランキング

1位

看護職だからこそ!体内リズムの改善で生活の「質」を高めよ

◆睡眠の「質」が生活の「質」及ぼす影響とは? 体内リズムが生活全般に影響  人生の3分の1を占めるといわれる「睡眠」ですが、日本人の5人に1人は睡眠に対し、不眠などの悩...

246995
2位

【事例5】末期・終末期にある患者の看護 ~最期まで自宅で

※「事例アセスメント」以下の閲覧はログイン(登録無料)が必要です。 事例紹介  Eさん、70歳代後半、男性 既往歴  陳旧性心筋梗塞〔冠動脈バイパス術(CABG)+経皮的冠...

247796
3位

―知覚・痛覚定量装置―PainVisionの運用と有用性

2018年12月3日、獨協医科大学(栃木県下都賀郡)にて、「―知覚・痛覚定量装置―PainVisionの運用と有用性」セミナーが開催されました。 獨協医科大学麻酔科学講座の山口重樹先生の...

249111
4位

高齢者の低栄養を防ぐために! 入院前から退院後まで視野に

福岡大学病院では、多職種からなる栄養サポートチーム(NST)が、全科を横断して患者さんの栄養管理を行っています。また同院では、入院前から退院後までを視野に入れた継続的な栄養管理を目指し...

249515
5位

-在宅高齢者の低栄養を防ぐ- 継続的な栄養管理を実現する

【インタビュー】情報共有によって利用者さんの栄養状態を支える 島田雅子さん福寿会 福岡クリニック(在宅療養支援診療所) 看護師長代理 高齢者の低栄養状態は、QOLのみならず生命予後にも...

249716
6位

高齢者の低栄養を防ぐ! 病棟から地域まで、患者さんに栄養

高齢者の低栄養状態は、疾患からの回復を妨げ、悪化や再発につながります。そこで最近では、入院患者さんに早い時期から栄養アセスメントを行う医療施設が増えています。 しかし、入院中は良好に保たれた...

249873
7位

モンスターペイシェントへの7つの対応方法

患者さんからの暴力・暴言を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。今回は、モンスターペイシェントについて解説します。 ▼看護師のコミュニケーションとマナーについて、まとめ...

251114
8位

希釈液の濃度計算を攻略する!

【関連記事】 * 簡単! 楽ちん! 点滴の滴下数計算 2つの方法 * リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液の違いは? * 【問題2】抗生剤と生食50mlを、30分間 成人用ルー...

249699
9位

摘便とは|適応・禁忌・手順・コツ〜根拠がわかる看護技術

【関連記事】 ●グリセリン浣腸の目的と手順【マンガでわかる!看護技術】 ●第8回 腹部膨満を訴える患者さんのアセスメント(排ガスの有無など) 摘便とは  摘便とは、自然...

249674
10位

陰部洗浄の目的・手順・観察項目〜根拠がわかる看護技術

*2020年4月16日改訂 関連記事 * おむつ交換のたびに陰部洗浄は必要? * 膀胱留置カテーテル 陰部洗浄・挿入・固定のコツ * 在宅療養におけるオムツ使用と陰部洗浄について知...

249675