なぜ看護の現場でリーダーシップが強く求められるか
- 公開日: 2020/2/20
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中堅看護師に期待される役割
頼れる中堅看護師
中堅看護師には、経験に裏打ちされた看護実践を基盤に、看護提供チームの中核にいることが求められます。さまざまな委員会への参加や勉強会の主催など、「看護管理者は優れた実践者である」という前提のもと、チームのリーダーシップがとれるだろうという期待が込められているのです。
また、中堅看護師は、新人看護師やほかの病院から異動してきた看護師の指導などの場面で、頼られる機会も多いはずです。
しかしながら、このような役割付与に対し、純粋に看護をしたいだけと思っている中堅看護師の皆さんは、戸惑いや反発を感じているのではないでしょうか?実際、中堅看護師が自分に求められている役割に対して、ストレスを感じていることが明らかになっています1,2)。
多くのジレンマを抱える中堅世代
中堅看護師は、ケアに対して、チームなど集団に働きかける管理的手法を用いるよりも、自分の専門性を高めることで患者のケアの質を上げるということに興味があるように見受けられます。日本看護協会の「2013年 看護職員実態調査」3)によると、看護職としてのキャリアプランに関して「特定の分野における能力・技術など専門性を高めたい」「幅広い能力・技術を身につけ様々な仕事に携わりたい」という項目に、「とてもそう思う」「まあそう思う」と答えている人は60%前後と高値ですが、その反面、「管理職として、組織の運営や管理に携わりたい」と考える人は、およそ22%に過ぎません。
また、中堅看護師といわれる世代は、ライフイベントが多い時期でもあります。結婚や子育てなど、私生活に比重を置きたくなるのです。加えて、日本はまだ「ワーク・ライフ・バランス」が十分整っているとはいえません。そのため、断れない残業や好きなときに休日がとりにくいというのも事実です。