すぐ実践したい! バーンアウト防止策
- 公開日: 2020/1/23
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1. バーンアウトにならない&させないために
(ベスリクリニック 保健師・看護師・助産師 長田梨那)
バーンアウトを早期発見・防止するには、個人での取り組みはもちろん、周囲の協力も重要な役割を果たします。ここでは、バーンアウトを防止するためのポイントをご紹介します。
ソーシャルサポートを利用する
人間関係は強いストレッサーになると同時に、ストレスを低減する機能もあります。周囲からの支持的なかかわりは「ソーシャルサポート」と呼ばれ、物理的(金銭面などの)な援助だけではなく、あらゆる支援行動を指します。例えば、有益な情報を教えてくれる、仕事の成果を評価してくれる、失敗したら慰めてくれるなどです。ソーシャルサポートを受ける機会の少なかった人は、バーンアウトを発症したあとに回復せず、より深刻な事態に陥ったという結果もあります1)。
ヒューマン・サービス従事者のなかには、人の悩みを聞き、解決しようとする業務の性質上、自分自身が悩みを抱えているということを上司や同僚に伝えることに心理的抵抗を感じる人が少なくないといわれています。患者から言われた言葉を繰り返し考えてしまったり、家に帰っても1人で考え込んでしまったりしたことはありませんか?中堅看護師になればなるほど、後輩たちを教育する立場になり、自らの悩みを相談することが減ってはいないでしょうか?
患者や後輩から頼られたり、相談されたりする立場だからといって、それを1人で解決しなければならないわけではありません。同僚や上司と食事に行く機会を設けたり、心の内を誰かに話したりすることも大切です。最近では、看護師がオンラインで相談やアドバイスを受けられるサイトや、SNSでコミュニケーションをとる方法もあります。
また、職場以外では、家族や友人のサポートも重要です。自分だけではなく、自分の周りにいる人や環境をうまく使ってソーシャルサポートを受けられるようにしましょう2)。
組織としてとれる対策としては、中堅看護師が異動で病棟が変わった後、一時的にでもいいので、相談役として同じ年代もしくは少し上の指導者をつけることも大切です。中堅看護師としての立場が確立されていくにつれて、自分から頼ることはしづらくなります。そこをあえて相談役をつけることで、聞きづらいことでも聞きやすい雰囲気をつくることができます。頼りやすい相手を組織の側から用意しておくことも有効です。