【日本看護協会】保健所の体制整備・慰労金の支給、医療機関への支援を要望
- 公開日: 2020/7/14
公益社団法人日本看護協会(会長:福井トシ子、会員76万人)は7月8日、加藤勝信厚生労働大臣に、新型コロナウイルス感染症に関する保健所の体制整備および職員への慰労金の支給に関する要望書と、医療機関や訪問看護ステーションへの経営支援を求める要望書をそれぞれ提出しました。
保健所等に勤務する職員にも慰労金を
地域保健法施行後に保健所数が半減しているなか、新型コロナウイルス感染症の影響で業務が増大し、保健所の体制維持に困難が生じた自治体がありました。
6月19日、「今後を見据えた保健所の即応体制の整備に向けた指針」にて、保健所の体制整備について具体的に示されたことを受け、指針に示された内容が実現されるよう、加藤厚労大臣に働き掛けを求めました。
また、新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金給付が決定したものの、保健所等に勤務する職員は含まれていないことから、感染症対策業務に取り組み、地域医療体制の維持に貢献した保健所等に勤務す職員についても、慰労金支給の対象とすることを要望しました。
1.保健所等に勤務する職員の確保や設備などの体制整備
2.保健所等に勤務する保健師をはじめとする職員への慰労金の支給
医療機関及び訪問看護ステーションへの経営支援を要望
新型コロナウイルス感染症患者の対応にあたった医療機関については、他の患者の受け入れ制限などにより減収・減益が起きています。対応していない医療機関においても、患者数の減少や感染症対策のコスト増により経営状況が悪化しており、訪問看護ステーションでも同様の状況がみられます。
経営支援のための対策も行われているものの、感染の終息時期が見通せないなかで看護職の処遇悪化が懸念されます。
福井会長は「看護職の離職や医療崩壊につながりかねない。非常に強い危機感を持っている」とし、地域医療を守るため、医療従事者の雇用を維持し、必要な医療機能を確保する観点から、第2次補正予算の予備費の活用および基本診療料等の診療報酬や訪問看護療養費等の引き上げを要望しました。
加藤厚労大臣は「頑張った方に報いることができるよう、状況を見ながら、必要な場合には追加の支援も検討したい」と回答しました。
看護職をはじめとする医療従事者の処遇悪化を防ぎ、雇用を維持できるよう、第2次補正予算の予備費の活用はもとより、基本診療料等の診療報酬や訪問看護療養費等の大幅な引き上げを要望する。