年間10,000人以上が結核に感染―「結核予防週間」で予防を啓発
- 公開日: 2023/9/24
結核低蔓延国の水準を達成も油断ならず
結核は、年間10,000人以上が感染し、1,600人以上が命を落としている日本の主要な感染症です。
2022年に、結核患者として新たに登録された人数は10,235人で、前年と比較して1,284人(11.1%)減少しているほか1)、結核罹患率(新登録結核患者数を人口10万対率で表したもの)も前年より1.0ポイント減少して8.2となっており1)、罹患率10.0未満とする結核低蔓延国の水準を達成しています。
ただし、新規感染者数や罹患率の減少については、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられ、厚生労働省では、今後の動向を注視していく必要があるとしています。
早期発見・早期治療で感染予防
結核の症状として、長引く咳や痰、微熱、倦怠感などが挙げられ、進行すると咳やくしゃみによって周囲への感染リスクが高くなります。
感染初期は症状が乏しく、特に高齢者では気づかないうちに進行してしまうことがありますが、結核を発症しても早期に発見・治療できれば重症化を防げるだけではなく、家族や友人などへの感染拡大も防ぐことができます。咳や痰が2週間以上続いたり、微熱や倦怠感が続いたりする場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
各地で啓発イベント開催
9月24日~30日の結核予防週間では、日本全国の各地域でライトアップ、無料検診、パンフレットの配布、募金活動、講演会などといった、結核に関するさまざまな普及啓発活動が行われます。
【各地の主なイベント予定はこちら】
●令和5年度結核予防週間実施予定行事(複十字シール運動キャンペーン)
https://www.jatahq.org/wp-content/uploads/2023/09/5a2a7df986a2f8d90a0b991d40825b7e.pdf
引用文献
1)厚生労働省:2022年 結核登録者情報調査年報集計結果について.(2023年9月20日閲覧)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001139692.pdf