1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 口腔ケア
  5. 小児の口腔ケアのコツ

【連載】難しい患者さんの日常ケア

小児の口腔ケアのコツ

  • 公開日: 2014/3/20

動いたり泣いたりする小児のケアのコツ

小児には、遊びの要素を取り入れて、一緒に楽しくケアするのがコツです。

児との信頼関係を築く努力が必要

小児がんの患児の場合、粘膜が傷つきやすく、免疫が低下して菌が繁殖しやすく、出血しやすいので、口腔ケアを行う際には注意が必要です。出血傾向のある患者さんへの口腔ケアに準じて行います。

重症心身障害児の場合は、自分の意思で口が開かない児もいます。また、医療者と接するときだけ口を開かないというケースもあります。これは本能的に自分を守ろうとする気持ちの表れです。無理に開けようとすると噛みつくこともあるため、できるならお母さんに協力を仰ぎます。同時に、児との信頼関係を築く姿勢が大切です。

発達段階に合わせたケアの工夫が大切

歯の生え始めた頃から、発達段階によってケアのポイントも変わります。自分でやりたがる患児もいるため、家から柔らかめの歯ブラシを持参してもらい、「食事のあとに一緒にゴシゴシしようね」と声をかけて歯磨きをすることもあります。歯磨きが終わったら「できたねシール」を貼るなどの工夫も大切です。お母さんにも参加してもらったり、キャラクターものの歯磨きDVDを見ながら一緒に歯磨きをすると、楽しくできます。

歯が生えてない頃

水で湿らせたガーゼなどで口の周りや中を拭いて、口に触れられることに慣らしていく

乳歯が生えてきたら

生後7~8カ月頃、下の前歯から乳歯が生えてきたら、歯みがきを始める

上の前歯が生えてきたら

1歳頃になると上下の前歯がそろってくる。生えて間もない歯は、石灰化が低い、唾液で食べかすや汚れが洗い流されにくい、糖分の多いものを食べたり飲んだりする機会が増えるなどの理由で、むし歯ができやすい環境にある

奥歯が生えてきたら

自立心が芽生えてくるとともに、歯みがきをさせてくれなくなる傾向がある。ただし、汚れが唾液で取れず、菌が定着しやすい、上の前歯の間や奥歯の溝に汚れがたまりやすくなる。子どもだけでは十分に汚れを落とすことができないため、保護者の仕上げ磨きが必要

(ナース専科マガジン2014年4月号より転載)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

第26回日本小児ストーマ・排泄・創傷管理セミナー 開催のお知らせ

会期 2024年6月12日(水)、13日(木)、14日(金) 6月12日 13時開始、 6月14日 16時15分終了予定 研修内容 ストーマ術前術後のケア(低出生体重児を含む)、創傷ケア(褥瘡予防・局所ケア)、失禁ケア(尿・便失禁、自己導尿指導等) ※当セミナー

2024/3/1

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
4位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
7位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
8位

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防な

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。 術前の検査  術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を...

249741
9位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
10位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949