第7回 喘息セミナーに参加してみた!
- 公開日: 2016/1/5
- 更新日: 2021/1/6
現場で活躍するナースに、より密着したテーマを掲げ、ときには実技も交えて行われるセミナー。普段なかなか接する機会のない他病院のナースと情報交換できる貴重な場でもあります。とはいえ、時間がなかったり、セミナーはレベルが高そうと躊躇してしまいがち。そこで今回は、すぐに実践に活かすことのできるセミナーを紹介します。
左から西間三馨先生(国立病院機構福岡病院 名誉院長) 足立 満先生(国際医療福祉大学教授 山王病院 アレルギー内科)
最新の治療法やトレンドがわかる!
毎日ほんの少しの時間ではあるけど、本を読んで勉強する習慣がついてきた。でも、一人で勉強していると行き詰まったり、わからない部分が出てくるとつい投げ出してしまいたくなる。
人一倍勉強熱心な同期に相談したら、「だったら、セミナーに参加してみたら? 本だと理解しにくいところも、講師の人がわかりやすい言葉やスライドを使って解説してくれるし、最新の治療法やトレンドも知ることができるよ!」と目からウロコのアドバイス。 疑問に思っていたことも直接聞くことができるし、いいかもしれない! というわけで、以前から興味のあった日本喘息・COPDフォーラム(JASCOM)とグラクソ・スミスクライン株式会社が共催する喘息セミナーに行ってみた。
メカニズムからわかりやすく
今回のセミナーは、成人・小児喘息患者への大規模電話調査”AIRJ(エアジェイ)2011″から、日本の喘息治療の最新の実態と課題を考えるというもの。 まずは、成人喘息患者について、足立 満先生(国際医療福祉大学教授、山王病院アレルギー内科)が講演。内容について行けるか不安だったけど、気管閉塞のメカニズムからわかりやすく解説してくれたので一安心。 喘息症状は、気道の慢性炎症が根底にあるので、炎症をおさえる薬を継続的に服用して、発作を未然に防ぐのが重要 とのこと。 また、成人の喘息治療に吸入ステロイドを多く用いる理由については、
1.吸入ステロイドは抗炎症効果が強く、気道に直接作用する
2.薬が吸収されても肝臓で代謝されるので、全身性の副作用がほとんどない
と2つのポイントを挙げてわかりやすく説明してくれた。 症状が出なくなったり、発作が治まると、吸入を自己判断でやめてしまう患者さんが多いので、「 なぜ吸入ステロイドを続けなければならないのか、患者さんに説明して、吸入治療の継続を促すことが医療従事者に求められる 」と足立先生。 確かに、症状がよくなると、服用をやめてしてしまう患者さんって結構多いんだよなあ。指導がうまくいかないと落ち込むけど、治療を続けなければいけない患者さんはもっと辛いはず。これからは、患者さんの気持ちや状況を理解して、根気強く説明するように心掛けよう!
小児喘息患者の実態は?
続いて、小児喘息患者について講演を行ったのは西間三馨先生。 「喘息をもっていない子どもと同じQOLを維持することが目標」と話す西間先生。とはいうものの、学校生活、運動、睡眠において喘息が妨げになっているケースが少なくないという。 そして、 小児の場合も、治療に吸入ステロイドが用いられるようになり、吸入指導を行う機会が増加。正しく吸入して症状をコントロールするためにも、医療従事者はもちろん、患者である子どもと保護者の意識向上が求められる とのこと。 セミナーに参加すると、講師の熱気も伝わってくるから、知識を身に付けられるだけじゃなくてパワーももらえる! もっとセミナーに参加してみたいな。これから開催される呼吸ケア関連のセミナーをチェックしてみよう!
★今日のつぶやき★
セミナーに参加すると、本や雑誌では手に入らない最新の情報はもちろん、ちょっとしたポイントやこぼれ話も聞くことができて理解もぐっと深まる。セミナーの内容をまとめて、しっかり自分のものにしなきゃ!
※次回はCOPDについておさらいします。