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【連載】人工呼吸器 アラーム対応のキホン

気道内圧下限アラームの原因と対応

  • 公開日: 2013/11/5
  • 更新日: 2020/10/22

メーカーや機種によって、表示も名称も異なるのが人工呼吸器のアラーム。たくさんの種類をすべて記憶するのは大変難しいことです。
そこで、人工呼吸器にとって主要なアラームをピックアップし、原理原則と対応の基本をまとめました。


【目次】


▼人工呼吸器について、まとめて読むならコチラ
人工呼吸器のアラームの原因と対応


どんなアラーム?

 気道内圧が設定された圧力まで上がっていないことを示しています。ただし、患者さんにとってそれがどんな意味をもつかは、状況によって異なります。

 VCV(従量式換気)などの場合は、ガスが十分に送られていないことを意味しており、迅速に対応する必要があります。一方、SIMV(同期式間欠的強制換気)などの補助換気の場は、患者さんの吸気努力が強くなり、流れてくるガスを早く吸ってしまうために気道内圧が低くなることがあります。

 原因としては、第一に呼吸回路のはずれやエア漏れが考えられます。具体的には、回路の接続部がはずれた、加温加湿器やネブライザーのカップがはずれていた、チューブなどが破損して穴や亀裂ができた、気管チューブのカフ圧が低下してリークした、気管チューブが抜けた、または抜けかかっているといったことが考えられます。また、気管チューブは、患者さんが自己抜管してしまうこともあり、このようなときにもアラームが作動します。

 そのほか、前述した患者さんの吸気努力の増大、病状の改善などによる肺コンプライアンスの上昇、アラーム設定が高すぎた場合、換気量や呼吸数の設定の間違いなども原因になります。

対応の原理原則

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 回路がはずれていた場合は、速やかに接続し、呼吸状態を確認します。気管チューブが抜けている、または抜けかかっている場合は、押し込んだりせずに、用手換気を開始し、再挿管のため医師に連絡します。一目見て原因が発見できず、SpO2の低下をともなっていたら、用手換気で安全を確保してから、回路からのリークがないかをチェックします。異常が見つかったらテスト肺で回路をチェックし、患者さんにつないで気道内圧を確認します。

 気管チューブやカフの破損、カフ圧の低下などは、首のあたりでガスが漏れる音がしたり、声が漏れることでわかります。カフ圧をチェックし、破損していれば交換します。もっとも報告されている例は、ウォータートラップの取り付け不具合です。正しく 装着しているか確認しましょう。

 気道内圧下限アラームは、最高気道内圧(PIP)の70~80%程度に設定するのが一般的です。換気モードや1回換気量、呼吸数などの設定も、患者さんの状態に合わせて調整する必要があります。

設定値のめやす

 1. 最高気道内圧(PIP)の70~80%に設定する
 2. 換気モードや1回換気量、呼吸数などの設定も、患者さんの状態に合わせて調整する

気圧内圧下限アラーム対応の流れ
図 気圧内圧下限アラーム対応の流れ

Q&A

Q 設定どおりの流量を保っているのに、肺炎で発熱している患者さんの気道内圧下限アラームが鳴ります。なぜですか?

A 流量を規定(VCV:volume controlventilation; 従量式換気)している人工呼吸器では、設定した流量が維持されているため、患者さんの肺や気道の状態によって気道内圧が変化します。

 VCVでは、患者さんの自発呼吸があるときや、発熱により酸素消費量が増えている場合、その設定が低すぎると患者さんの吸気努力が勝ってしまい、「気道内圧下限アラーム」が作動することがあります。この質問では、吸気量不足が考えられるため、吸気流速を増加させる、または1回換気量を増加させる設定に修正します。

 本来、呼吸は健康な人であっても一定の状態ではなく、一つひとつの呼吸に「ゆらぎ」があります。そこで患者さんの状態をよく観察し、小まめにアセスメントし、病態の変化をいち早く捉えてアラーム設定を変更することで、患者さんの呼吸に負担をかけないよう配慮することが大切です。

*次回は「気道内圧上限アラーム」の原因と対応について解説します。

(『ナース専科マガジン2012年12月増刊号 一冊まるごと呼吸ケア』より転載)