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【連載】やさしく学ぶ 大腸がん経口抗がん剤の副作用マネジメント

第11回 「高血圧」をマスターしよう

  • 公開日: 2014/8/13
  • 更新日: 2020/10/21

スチバーガ®の副作用として高血圧があらわれることがあり、日本人で発現頻度が高いと報告されています。第11回ではスチバーガ®の副作用としての高血圧の特徴、発現時期、対処法などについて概説します。


高血圧は放置しておくと重症化する恐れがあります

高血圧は、分子標的治療薬に特徴的な副作用であり、スチバーガ®においてもよくみられる副作用の1つです。高血圧を放置しておくと、脳卒中、心臓病、腎臓病を引き起こす危険性があり、注意が必要です。

高血圧は放置しておくと重症化する恐れがあり、説明イラスト

高血圧治療ガイドライン2014(日本高血圧学会発行)では、高血圧治療の対象は140/90mmHg以上のすべての高血圧患者と記載されており、スチバーガ®投与中に血圧の上昇がみられた場合は、対処が必要となります。

患者さんに高血圧の症状を説明する場合や、症状が出ていないか確認する場合には、表1のように具体的でわかりやすい言葉を用いることがポイントです。

高血圧の症状の伝え方

表1 高血圧の症状の伝え方

高血圧の発現頻度は、スチバーガ®投与1サイクル目に高い傾向にあります

大腸がんの国際共同第Ⅲ相臨床試験において、スチバーガ®を投与された日本人患者での高血圧の発現率は60.0%で、グレード3は10.8%に認められたと報告されています1)

発現する時期は、スチバーガ®の投与開始後2ヵ月(2サイクル)以内、特に1ヵ月(1サイクル)以内に多く認められる傾向があります(図1)。

※MedDRA ver.14.1

スチバーガ®による高血圧の発現時期

図1 スチバーガ®による高血圧の発現時期

高血圧のグレードに応じて対症療法を行い、場合によってはスチバーガ®の減量、休薬または投与中止を考慮します

高血圧があらわれた場合にはその重症度(グレード)を評価し、グレードに応じて降圧剤の投与を行うとともに、スチバーガ®の減量、休薬、または投与中止を検討します。高血圧の程度は、表2のようにグレード1~5で定義されています。

高血圧のグレード(CTCAE Ver.4.0より抜粋)

表2 高血圧のグレード(CTCAE Ver.4.0より抜粋)

高血圧の対処法としては、スチバーガ®の投与開始前および投与中は毎日血圧測定を行い、血圧のモニタリングをします。そこでグレード2が発現した場合には、降圧剤による治療を行います。症候性または降圧治療でコントロールができない場合には、スチバーガ®の休薬を考慮します(図2)。

高血圧に関する用量調節基準

図2 高血圧に関する用量調節基準

患者さんへの指導のポイント

患者さんには、あらかじめスチバーガ®の副作用として高血圧があらわれることがあること、その場合は降圧剤で治療し、血圧が安定すればスチバーガ®の服用は継続できることを説明しましょう。

そして、血圧の異常に早く気がつくために、スチバーガ®の投与開始前から自宅で毎日血圧を測定し、血圧値を「服用ダイアリー手帳」に記入して診察時に医師に見せるよう指導します。血圧測定のポイントは、できるだけ同じ時間に、同じ腕で測定することです。自宅に血圧計がない患者さんには、購入するようすすめましょう。

また、めまいや頭痛などの症状があらわれたり、血圧が急に上昇(収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が120mmHg以上)した場合には、緊急の対応が必要です。すぐにスチバーガ®の服用をやめ、緊急連絡するよう指導しましょう。

【参考文献】

1)山田康秀:日本臨床腫瘍学会. O2-035, 2013

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