1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 検査値
  5. ケトン体とは?検査で何がわかるの?

【連載】検査値の読み方

ケトン体とは?検査で何がわかるの?

  • 公開日: 2014/9/27
  • 更新日: 2017/1/9

血糖値が高い場合にチェックすべき、「ケトン体」について解説します。
*2017年1月9日改訂


ケトン体とは?

 インスリンが不十分であると、エネルギー源であるブドウ糖を細胞に取り込むことができなくなります。ブドウ糖は細胞に取り込まれず、血中に留まり、高血糖を招いてしまいます。このように細胞が血中のブドウ糖を利用できなくなると、細胞は脂肪をエネルギー源として利用するようになります。

 脂肪が分解されできた遊離脂肪酸は肝臓で酸化され、脂肪の代謝産物としてケトン体が作られて血中に増えてしまいます。ケトン体は酸であるため、これが血中に増えることで、血液が酸性に傾き、アシドーシスとなります。

 糖尿病でケトアシドーシスが起こる原因としては、インスリン注射の中断や、ストレス、感染、清涼飲料水の多飲などがあります。インスリン依存型の1型糖尿病患者さんに多く見られます。

【関連記事】
* インスリン(分泌と作用)と糖尿病
* アシドーシス・アルカローシスとは

ケトン体で何がわかるの?

 血糖値が高い場合、まずは尿のケトン体の有無をチェックし、代謝異常がないかを見ます。簡易的な試験紙であるケトスティックスを使用すると早期に確認できるので血糖値とともに結果を報告します。

 しかし、ケトスティックスではケトン体の主要成分である3-ヒドロキシ酪酸に反応しないため確定診断はできません。尿検査、血液検査でのケトン体を検査する必要があります。

 糖尿病でも血糖コントロールが良好であれば、通常は尿中のケトン体は一定量以下で、尿検査では「-」と示されます。しかし、肝臓でのケトン供給が組織内での処理能力を超えると、血液中のケトン体が増加して尿中に排出され、尿検査では「±」か「+」を示します。ケトン体は酸性物質なので増加するとアシドーシスになります。

 したがってケトン体だけでなく、重炭酸イオン(HCO3-)やpHの確認も必要になります。

【関連記事】
* pHとPaCO2とHCO3-との関係
* 糖尿病性ケトアシドーシスとは?
* 【糖尿病】の判断基準・症状・合併症

(『ナース専科マガジン』2014年10月号から改変利用)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

糖代謝の異常値はココを見る!

 日常の看護の中でよく目にする検査値のことをきちんと理解していますか。毎日チェックするのは特定の項目ばかりで、そのほかは自信がない……、そんなことはないでしょうか。確かにいつもの検査項目の異常値がわかれば、すぐに困ることはありません。でも、検査値の変化には理由があり、互い

2018/12/2

アクセスランキング

1位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
2位

簡単! 楽ちん! 点滴の滴下数計算 2つの方法

皆さんご存知の通り、点滴指示書には様々な書き方があります。 よくあるパターン ●流速が書かれている (例)「○○輸液500ml 60ml/h」 ●1日の総量が書かれている (例)...

251296
3位

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防な

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。 術前の検査  術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を...

249741
4位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・...

250751
5位

転倒転落リスクに対する看護計画|高齢で転倒の恐れがある患

高齢の転倒転落リスクに関する看護計画 加齢に伴い筋力や平衡感覚などの身体機能が低下することに加えて、疾患やそれに対する治療、使用する薬剤の副作用、入院環境などさまざまな要因で転倒や転落しやすくな...

313501
6位

看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイン

ここでは一般的な看護記録を解説しています。また、看護診断名にNANDA-I看護診断を使用しています。実際の記録は院内の記録規定に従いましょう。 【関連記事】 *看護計画の「観察項目...

249544
7位

心不全の看護|原因、種類、診断、治療

*2020年4月30日改訂 心不全とは  生活習慣病やさまざまな基礎疾患、加齢などが原因となり、心機能、特に多いのは左心室のポンプ機能が低下することで起こります。心臓のポンプ機能の代償...

249812
8位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
9位

バイタルサインとは|目的と測定の仕方、基準値について

*2019年3月13日改訂 *2020年4月15日改訂 *2022年4月28日改訂 バイタルサインとは  バイタルサインとは「生命徴候」のことで、「脈拍」「呼吸」「体温」「血圧」「...

249791
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636