リンゲル液とは? 1号液~4号液はそれぞれどう違う?
- 公開日: 2015/6/9
脱水や浮腫などの症候だけでなく、腎不全、心不全、糖尿病など、さまざな疾患の原因となるIN/OUTバランス(水分出納)。ここでは、IN/OUTバランスについて解説します。
リンゲル液とは?
生理食塩液にはNa+とCl-が添加されていますが、K+とCa2+を添加して、より細胞外液(血漿)の電解質組成に近づけたのがリンゲル液です。
電解質組成がNa<Clが特徴で、出血性ショックや熱傷、手術時、代謝性アシドーシスの治療に適応がありますが、最近ではほとんど用いられません。
その理由は、リンゲル液には血漿にあるHCO3-が含まれていないからです。代わりにCl-が大量に入っています。
そこで、HCO3-の代わりに乳酸イオンや酢酸イオンを加え、Cl-の総量を押さえたのが、乳酸リンゲル液および酢酸リンゲル液です。
乳酸リンゲル液・酢酸リンゲル液
HCO3-は体内での酸塩基平衡を維持する物質で、乳酸や酢酸は代謝されるとHCO3-になるため、体内でアルカリ化剤として機能します。
「・・・酸リンゲル液」はNa>Clが特徴であり、等張液の中では、最も細胞外液の電解質組成に近くなっています。ただし、肝障害の患者さんでは乳酸代謝ができず、乳酸リンゲル液の使用によって乳酸性アシドーシスを招くことがあります。
そのため最近は、代謝性アシドーシスを伴う体液低下例でより細胞外液組成に近い、重炭酸イオンを加えた重炭酸リンゲル液も使われています。
生理食塩液やこれらのリンゲル液は血漿浸透圧と等しいために「等張液」と呼ばれますが、その作用から「細胞外液補充液」とも呼ばれます。
※次は、ソリタ®などの1号液~4号液を解説します。
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